多数のアドレス宛てに一斉送信される迷惑メールでは、ブラインドカーボンコピー(Bcc:)がよく利用されます。その場合、宛先(To:)欄に他人のメールアドレスが記載されるため、宛先(To:)やカーボンコピー(Cc:)に自分のアドレスが含まれません※。
※:迷惑メールが送信されるとき、迷惑メール業者は送信先リストをいくつかに分割して送信することが一般的です。そのとき、リストの先頭にきたアドレスがTo:、以降のリストはBcc:に指定されますが、偶然自分のアドレスがTo:に指定される可能性もあります。
以下に紹介するメールの振り分けは、ブラインドカーボンコピーの特徴に着目し、宛先またはCc:に自分のアドレスが含まれないメールを迷惑メールとみなし、特定のトレイに振り分けています。なお、メーリングリストなど迷惑メールではない一斉同報メールまで取り除かれてしまうため、購読中のメーリングリストからのメールを振り分けるためのメッセージルールを別に用意し、今回作成するルールより高い優先順位で実行されるよう設定しておく必要があります。
●図6 ルール条件のオプションで「次の単語を含まない場合」を選択する
特定のアドレスから送られてくる迷惑メールは、簡単な操作で取り除くことができます。メールアドレスを手がかりに設定するため、迷惑メールを受信するつど作業しなければならないものの、企業の広告メールのようなメールアドレスを詐称するほどの悪質さはないメールに対して効果的です。
メールを受信拒否する場合は、対象のメールを受信トレイで選択した状態から[メッセージ(M)]→[送信者を禁止する(S)...]を実行します。すると、そのメールに記録されている送信者のメールアドレスが禁止されたユーザーの一覧に追加された旨のメッセージが現れ、[はい(Y)]ボタンをクリックすると、メールを[削除済みアイテム]へ移動して処理を終了します。
●図7 「送信者を禁止する」を選択すれば、以後その送信者からのメールアドレスは自動的に削除される
●図8 禁止された送信者のアドレスは、メッセージルールの画面で管理される
Outlook Expressのメッセージルール機能は、特定のキーワードを持つ迷惑メールには効果的なものの、図へのリンク情報のみ持つHTMLを使用した迷惑メールには対応できません。詐欺目的の迷惑メール(フィッシングメール)のように、特定のキーワードを推測することが難しいものについても、メッセージルール機能では対処が困難です。
ここに紹介する「SPAMfighter Standard 5.0.0」は、Outlook/Outlook Express用のプラグインソフトウェアです。システムにインストールすると、以降Outlook Expressでメールを受信するときには、開発元のサーバで集中管理されている迷惑メールデータベースへ自動接続し、迷惑メールかどうかの判定が行われます。自身のコンピュータに迷惑メールの情報が蓄積される方式(ベイジアンフィルタ)とは異なり、インターネットを介して多数のユーザーが迷惑メールの情報を共有する方式(ブラックリスト方式)を採用しているため、使い始めた直後から迷惑メールを効率的に除去できるようになります。
製品名:SPAMfighter Free v4.9.7
URL : http://www.spamfighter.com/
URL(日本語) : http://www.spamfighter.com/Lang_JA/Default.asp
開発元:SPAMfighter
種別:フリーウェア(個人使用のみ)
対応OS:Windows 98/ME/2000/XP
対応メールソフト:Outlook Express 5.5以降、Outlook 2000/2002(XP)/2003
●図9 SPAM Fighterのインストール後にはツールバーが追加され、迷惑メールの監視が始まる
OutlookExpressでは、システム標準のWebブラウザ(Internet Explorer)のHTML描画機能を利用してHTMLメールを表示するため、常にシステムを最新の状態に保つことが安全への近道です。Windows XPでは、システムを最新の状態にアップデートするサービスパックの第2版(通称:SP2)を適用すると、HTMLメールに含まれる画像を非表示にする機能が追加されるほか、HTMLメールに潜むセキュリティホールが修正されるなど、安全性が向上します。
Windows XP SP2以降のシステムでは、この問題に対処するため、HTMLメールに含まれる画像をブロック(非表示)する設定が初期値となっています。設定を確認変更する場合には、次のとおり操作を行います。
●図10 特別な理由がないかぎり、このチェックボックスを無効にしないこと
《PREV》 |