第4回 セキュリティ・フォーラム レポート


 日本インターネット協会(現インターネット協会, IAJapan) セキュリティ部会主催第4回セキュリティフォーラムが2001年3月8日に日本教育会館会議室に於いて開催されました。

司会:人見庸氏
人見氏

今回は「国際標準化」をテーマに、世界の主要銀行が中心となって提供するB2B電子商取引向け電子認証サービス「Identrus」と5月末にサービスを開始するIMT-2000による次世代移動体通信「FOMA」を取り上げました。

渥美氏

株式会社電通国際情報サービス 渥美俊英氏

 第一部は『電子認証の新たな国際標準「アイデントラス(Identrus)」』と題して株式会社電通国際情報サービスの渥美俊英氏にお話をいただきました。PKI、XMLといったオープンな仕様に基づいた4者(銀行対銀行とそれぞれの取引先)間アプリケーションモデルで、銀行が本来持っている「信用」を背景に「与信」「保証」機能を生かすという、アイデントラスの機能とシステム構築の実際を解説していただきました。昨年からよく新聞記事などで目にはするが、どういう背景から生まれたもので、いったい何が新しいのか、いまひとつわかりくいアイデントラスの理解を深めることができたと思います。

資料 『電子認証の新たな国際標準「アイデントラス(Identrus)」』 (PDF: 1898KB)

株式会社NTTドコモ 山下哲也氏

 第二部では株式会社NTTドコモの山下哲也氏に『次世代携帯電話「FOMA」の概要』で、第三世代に至る移動体通信システムの変遷とW-CDMAまでのアクセス方式の歴史やその技術概要を通じて、国際標準IMT-2000に基づく「FOMA」サービスをご紹介いただきました。参加者との質疑応答も本フォーラムらしく、Javaへの取り組みやIPへの直接対応、デジタル認証対応などについてお話があり、活発で大変有意義なものとなりました。

資料 『次世代携帯電話「FOMA」の概要』 (PDF: 288KB)

山下氏

今回のフォーラムは115名のお申し込みをいただき、実際にも80名を越える過去最多の参加者を得ました。いままでのフォーラムとは趣の異なるビジネス寄りの話題ではありましたが、サービスインをそれぞれ今秋、5月と間近にしたお話でアンケート結果は大変好評でした。主催者としても時宜を得た質の高い情報提供ができたものと喜んでいます。

このフォーラムは(セキュリティ部会そのものがそうですが)、夫々に仕事をもった運営委員のボランティアで、限られた運用能力の下で企画運営されており、その意味で余り肩肘張らずに手作り感覚で身近にできるところからできることを少しずつでも実行していこうという発想で進めています。今後もできる限りの機会と情報を提供して行きたいと思っています。皆様からの取り上げて欲しいテーマの希望や、逆に提供可能な情報の申し出を数多く寄せていただいて、インターアクティブで温かみのある場にしていけたらと思いますので、ご意見ご希望など、何でもお気軽にかつ積極的に事務局までお寄せください。

次回(第5回)は、5月10日の開催となります。




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