3-3. 被害

3-3-1. ウイルス被害

 「あなたのPCがウイルスに感染し被害をうけたことがありますか?」の問いに対して、「いいえ」と回答した人が54%で最も多く、次に「はい、会社で」と回答した人が31%、「はい、自宅で」と回答した人が14%、「分からない」と回答した人が1%でした。(グラフ3-3-1:ウイルス被害)

 ウイルス被害は、会社と自宅を合わせると45%になり、なんらかのウイルス被害にあったことのあるPCユーザーは全体の過半数に及ぶほど拡大しています。現在ウイルスによる被害は、情報セキュリティの中の様々な脅威の中で最も被害数が多くなっており、会社、学校、自宅などの環境に関係無く、細心の注意と対策が必要と言えます。



(グラフ3-3-1:ウイルス被害)

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 また、このウイルス被害の集計結果と前述の「ウイルス対策における意識状況」の2つの結果から、ウイルス対策における被害状況を集計してみたところ、(グラフ3-3-1:ウイルス被害と対策)ウイルスソフトを「頻繁に更新している」と回答する方が一番被害経験があり、35%の方がウイルス被害を受けた経験があるとの回答でした。また、ウイルス対策をしているか「分からない」と回答された方の内、実に33%の方が被害に遭った経験があることがわかりました。

 これは、実際に被害にあった人ほどウイルス対策に真剣に取り組んでいることが分かりますが、一方で、「対策を行っているか分からない」との回答者は、ウイルスに関するセキュリティ意識が全体的に低く、実際に被害に遭っていても、その対策に関し意識が低いことが分かります。



(グラフ3-3-1:ウイルス被害と対策)

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3-3-2. オンライン取引被害

 「あなたはオンライン取引でトラブルにまきこまれたことがありますか?」の問いに対して、「いいえ」と回答した人が94%で圧倒的に多く、次に「はい」と「分からない」と回答した人がそれぞれ3%でした。(グラフ3-3-2:オンライン取引被害)

 オンライン取引被害は、オンライン取引そのものがまだまだ普及していないことや、サービスの提供者によって安全な環境が提供されているためか、被害数は少ない結果となりました。ただし、「はい」と回答した人も少なからず実在するため不安が残る結果となりました。サービスの提供者は、被害が限りなくゼロに近い環境をユーザーに提供するべきであり、そうすることによって同時にオンライン取引そのものも活性化し普及することになることは言うまでもありません。



(グラフ3-3-2:オンライン取引被害)

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3-3-3. メール被害

 「あなたはメールを起因とする被害を受けたことがありますか?」の問いに対して、「いいえ」と回答した人が67%で最も多く、次に「はい、受信時」と回答した人が29%、「はい、送信時」と回答した人が3%、「分からない」と回答した人が1%でした。(グラフ3-3-3:メール被害)

 実際に被害にあったと認識している「はい、受信時」と「はい、送信時」との回答は学校と携帯電話が多い事がわかります。携帯電話では、メール被害にあったことは受信時の認識が強い事が伺えます。

 メール被害の多くは、ウイルスメールの受信や、スパムなどの迷惑メールの受信です。ウイルスメールを受信した数だけ、ウイルスメールを配信した人もいるはずですが、「はい、送信時」が少ない結果となりました。ウイルスメールの受信により、非意図的にウイルスメールを配信してしまった人は、無理やり加害者にならされてしまったわけであり、心情的には、送信してしまった本人も被害者の一人と言えるのではないでしょうか



(グラフ3-3-3:メール被害)

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3-3-4. 不正アクセス被害

 「あなたのPCがインターネットを通して外部からの不正アクセスにまきこまれたことがありますか?」の問いに対して、「いいえ」と回答した人が77%と圧倒的に多く、次に「はい」と回答した人が14%、「分からない」と回答した人が9%でした(グラフ3-3-4:不正アクセス被害)。

 ウイルス被害と比較して、不正アクセスはまだまだ被害が少ないことがわかります。しかし、ウイルス(ワーム)などを利用した不正アクセスが激増していますので今後注意が必要です。

 環境別に見てみると学校での被害が一番多くなっています。学校は、管理について責任が不明確な場合があり、利用制限が少ない、不特定多数の人たちが利用しているなどの理由からセキュリティが低くなりやすいと言えます。自宅と会社での被害は同じほどになっています。つまり、不正アクセスは場所を問わず被害が起こり得ると言えます。前述の「2-3.インターネットへの接続方法」で明らかなように個人による常時接続が一般的になってきており、個人であってもパーソナルファイアウォールなど不正アクセス対策の必要性が緊急課題となってきています。

 また、「分からない」と回答した人が9%もいることは、他の被害と比べて特徴的と言えます。これは、不正アクセスに対する理解が乏しいことや、パーソナルファイアウォールなどの不正アクセス対策がまだまだ浸透していないことがその理由であると考えられます。

 また、不正アクセス被害の集計と不正アクセス対策の集計を取りまとめてみたところ、不正アクセス被害に遭ったと回答した方のうち、61%の方が不正アクセス対策を行っていることが分かりました。さらに、不正アクセス被害に「いいえ遭っていない」及び「分からない」と回答した方のうち、それぞれ47%の方々が、不正アクセス対策を行っていることが分かりました。不正アクセス被害に遭遇していても、約60%の方しか対策をとっていないことがわかり、先程の結果からも、あらためて、不正アクセスへの対策に関する意識がまだ低いと考えられます。



(グラフ3-3-4:不正アクセス被害)

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(グラフ:3-3-4:不正アクセス被害と対策)

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