IAJapan Top IAjapan Java研究部会 TOP
最終更新日:2001-01-30
------

JJJMP Vol.1 レポート
「30分で解るJiniテクノロジー 〜えっ? ドラえもん?〜」

大山氏 講師:大山弘樹氏(フォーディーネットワークス株式会社)
[資料(PPT: 140KB)]
 この日最初となったこのセッションは、文字通り30分という短時間でJiniテクノロジーの概要を解説してしまおうという、ある種野心的な試みとなった。

 まず、はじめに講師の大山氏から、Jiniのねらいについて紹介された。それによると、Jiniの目指すものは、“使いたいときに、使いたい機能をいとも簡単に使える「環境」”と“使いたいときに、使いたい機能をいとも簡単に使わせる「枠組み」”を提供することであるという。大山氏は、「これを“ドラえもんの4次元ポケット”を提供することにたとえて紹介します」と宣言した。

 さて、すでに述べた「環境」と「枠組み」を提供するためにJiniでは、大きく分けて2つの仕掛けを用意している。つまり、デバイスのPlug and Play(ハード対ハード、ハード対ソフト、ソフト対ソフト)の実現と、ハード/ソフトを含むネットワーク全体をサービスの集合体と化すことが、その仕組みにあたる。このとき前提とされる環境は、Java2が必須とされる。もっとも、大山氏によれば「厳密にいうと、Jiniというレイヤ自体は確かにJava2でないと動かないが、サービスの提供という局面ではJava1.1 + α、さらにはJava以外の環境でも何とかなる」とのことだ。次にネットワークだが、これはRMIでつながった分散環境となる。そのほか、プログラミングについてもモデル(作法)が存在こと、そして何よりも「みんなで動かす」ことがJiniの前提となる。

 次にJiniの基本動作が紹介された。Jiniではまず、サービスを提供するサービスプロバイダがサービスをLookup Service(代理人)に登録する。そしてサービスを利用するクライアントがLookup Serviceを参照して必要なサービスの情報を取得し、サービスプロバイダのサービスを行使するといった流れとなる。加えて大山氏は、こうした動作を実現するJiniのアーキテクチャを「インフラストラクチャ」、「プログラミングモデル」、「サービス」の3つの側面から一般的なJavaプログラムのアーキテクチャと対比させて紹介した。

 さて以降のセッションではいよいよ、具体的にJiniの基礎をドラえもんの世界をベースに紹介していくことになる。たとえば「ドラえもんの手(ServiceTemplate)に、ほしい道具を書いて(Entry)、ポケットのなかを探しす(lookup)」といった具合にLookup Serviceを説明するなど、大山氏は万事こうした調子で、DiscoveryやJoin、ServiceRegistarからDistributed Lease、Distributed Event、Transactionといった、Jiniの基礎となる概念をすべてドラえもんの世界に則して、わかりやすく(?)説明してくれた。

 最後に大山氏は、Jiniに関連した資料が掲載されているWebページなど有益なリソースやインターネット協会のJava部会におけるJini BOFの活動を紹介し、このユニークなセッションを締めくくった。まさに「参加者のみなさんは今後、テレビでドラえもんを見るたびにJiniのことを考え、その仕組みの巧みなことに思い当たる」(大山氏)はず(?)だ。


  • 日本インターネット協会 Java 部会についてのお問い合わせは java-info@iaj.or.jp まで
  • このサイトに問題があった場合は webmaster@java-conf.gr.jpまでご連絡ください
  • ※Sun, Sun Microsystemsは米国およびその他の国における米国Sun Microsystems, Inc.の商標または登録商標です。 Javaおよびその他のJavaを含む標章は、米国Sun Microsystems, Inc.の商標であり、同社のJavaブランドの技術を使用した製品を指します
  • 日本インターネット協会 Java 部会は、米国 Sun Microsystems, Inc. とは独立の団体です。
Copyright (C) 1996-2001 日本インターネット協会 All rights reserved.