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最終更新日:2001-01-30
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JJJMP Vol.1 レポート
「携帯電話とJiniテクノロジー 〜CAFEMOON@HOME〜」
[デモンストレーション]

角氏 講師:角智雄氏(インプローブネットワークス株式会社)
[資料(PPT: 1242KB)]
 この日のセミナーの最終セッションでは、携帯電話で家電をコントロールするためのフレームワーク「CAFEMOON@HOME」について紹介が、開発元であるインプローブネットワークスの角氏から行なわれた。

 元来Jiniにおいては、家電をも含めた広範な電子機器がネットワークに参加するということが中核的なコンセプトとなっており、その点がJiniに大きな期待が寄せられる所以でもある。CAFEMOON@HOMEでは、素直にこうした利用スタイルに沿うシステムの実現が目指されているといえる。たとえば、家電機器をネットワークにつなぐだけで、外出先の携帯電話からビデオの録画予約をしたり、風呂を沸かしたり、エアコンの設定をしたりといったことを可能にしようというのだ。

 具体的なシステム構成としては、携帯電話向けのゲートウェイサーバである「C3GATE@Server」と家庭内のホームゲートウェイであるCAFEMOON@HOMEが置かれ、双方に向けたソフトウェアが提供される。携帯電話側については、i-mode、EZweb、J-Sky Webといった仕様が広くサポートされるほか、標準的なWebブラウザを搭載したPDA、PCなどでの利用も可能となっている。さらに、ネットワークインフラとして最近全国展開されはじめたNTTのISDN常時接続を介することも可能で、可変のIPアドレスにも対応する。つまりCAFEMOON@HOMEでは、「あくまでも現実に今存在する環境をベースにJiniの実用化を目指した」(角氏)ということである。

 このようなCAFEMOON@HOMEの前提を紹介したあと、角氏はその特徴を列挙した。まず、前述の通りゲートウェイサーバが置かれていることによって、携帯電話の機種によるC-HTML、WML、MMLといったスクリプト言語の差異は吸収され、家電製品の側で携帯電話の機種を考慮する必要がない。そして、家電製品を遠隔操作するためのドライバを家電製品のメーカなどからダウンロードする仕組みがとられているので、ドライバをインストールするといった作業は不要となっている。一方、家電製品を遠隔操作するためのユーザーインターフェイス、あるいは家電製品を制御するためのコマンドの記述にはXMLが使われており、開発、保守、配布等が容易である、などの点が紹介された。

 さて、CAFEMOON@HOMEによって家電製品のコントロールを実現するために必要な開発であるが、具体的には、まずユーザーインターフェイス部分を司るインターフェイスモジュールを開発する必要がある。これはXMLで記述される。次に家電製品を操作するドライバの開発が必要となる。こちらは、Javaで開発する。つまりこのドライバからJava VMを介して、JiniやHAVi、Bluetooth、HomePNA、HomeRF、UPnPといったネイティブドライバに対し、ハードウェアを制御する命令が発行されることになるわけだ。セッションでは、これらインターフェイスモジュールやドライバの簡単なサンプルコードも紹介された。

 いよいよセッションの最後には、角氏によってCAFEMOON@HOMEを使ったデモが行われた。デモの内容は、携帯電話から実際にCDプレイヤーの電源のオン/オフ、演奏/停止、あるいはMDプレイヤーへの切り替えといった一連の操作を実施するものだった。デモ自体はごく単純なものだったが、間近に到来しつつあるJiniによる次世代コンピューティングの姿を垣間見せてくれるのに十分なインパクトを持つものだったと言える。デモの実施中、操作が成功するたびに参加者の間から拍手がわき起こったことも、あわせて報告しておきたい。

デモンストレーションの様子


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