「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」
受賞作品

④青少年のインターネット利用部門

silver優秀 「私達を守る情報モラル」  奈良県 奈良県立奈良朱雀高等学校情報研究部


私は、インターネットを利用した際にアカウントの乗っ取りやなりすまし、SNS等で自分の写真を無断で掲載された経験があります。

不快に感じた私は、インターネットの使い方やルールを守れない人が多いのかと疑問に思いました。

そこで、私は様々なインターネット問題について調査し、対策を考えました。

まず、ネットに触れる機会が少なそうな小学生を対象に調査しました。インターネットや書籍を用いて、家族や友人の体験談を訊くと多くの問題点があることに気づきました。その中でも3つの問題点に注目しました。

小学生の場合

・携帯を持たせる理由として保護者が心配だからという理由が最も有力なのに対し、ゲームをするために使用している事が多いのが現状であること。
・有料ゲームを利用することで起こる金銭問題。
・友達より有利に進めるため勉強や睡眠時間を減らしてしまっている。

次に、中学生や高校生を対象として、

中学生の場合

・小学生に比べ、携帯電話等を持っている人が多くなる中で、SNS等での人間関係や使用頻度に問題があると感じた。
・チャット形式で利用できる反面すぐに返信をしないと無視されていると思う人がいること。(※イラスト1)
そのため、ケータイを常備し、どんな状況でも使用しているため依存症につながる原因の一つと考えた。

※イラスト1
image01

高校生の場合

・SNSの利用の仕方、特に文章表現に大きな問題があると考えた。中学校よりも様々な地域の友人が増えるなか、最初のやり取りをSNSから始める高校生が多い。
・中学生の問題同様、早く返信をするため、絵文字等を使用せずにやり取りをしている。相手の表情が分からないSNSでは、これだけで「怒らせたのかな?」と思わせることがあり、今後の付き合いに亀裂を生むきっかけになると考える。(※イラスト2)

※イラスト2
image02

最後に社会人を対象として、

社会人の場合

・仕事をする上で情報の取り扱いが大事と考えられる。
→誤ったネットの使い方によって"社外秘"の情報や"顧客リスト"等を流出させてしまう危険性があり、自分だけでなく、家族あるいは会社に被害をもたらす可能性があり、自分自身だけでの問題ではなくなる場合もある。

これらを踏まえて対策を考えました。

小学生では、ゲームに没頭することで、生活リズムが崩れる恐れがあり、各家庭内で使用時間や場所を決めるなどの約束事を設けるのが効果的と考えました。
もし、守れなかった場合、携帯電話を取り上げ、保護者の目が届くリビングなどに使う場所を制限する。ネットの使用した経験が浅いため保護者の意思でフィルタリングをかけることが効果的と考えます。

中学生では、フィルタリングをそのままに、学校や地域によるネットパトロールを行います。自分の発言が第三者に見られている可能性があるということを自覚し、責任をもつことが大切だと考えました。ネット内の掲示板やチャット上でのやり取りは、お互いの顔や表情がわからないからです。
しかし、人とコミュニケーションしていることを自覚して、利用することが大切だと考えました。

高校生は、保護者と相談し、自分に合ったフィルタリングをかけます。個人情報を扱うには保護者の同意を得ることや信憑性のあるサイトかどうかなどを見極める能力を身に付ける必要があります。小中学生同様にネット依存、携帯依存にならないようこれまで以上に使用時間について、自分自身で深く考える必要があります。他にもメッセージを送る際は表現や内容を工夫するといった気配りも重要だと考えられました。

以上のことから、ネット依存にならないために使用時間や使い方によってフィルタリングで規制する範囲を保護者と一緒に考え、情報モラルを身に付けることが小学生から社会人に共通して言えることだと考えます。

◎小学生
・保護者と相談し時間による制限を設ける。
・使用場所を制限する。(親の目が届く場所など)
・フィルタリングの範囲を保護者が決める。
→成長ごとに規制の範囲を考えていく。

◎中学生
・ネットパトロールを行う。
・自分の発言に対する責任。
・SNS等のフィルタリング規制は小学生同様、検索や調べものに関しては、規制の範囲を緩める。

◎高校生
・個人情報の取り扱い方 閲覧するサイトの危険性の認識。
・保護者と相談し、子供のネットマナーに応じてフィルタリングの有無を検討する。
・相手を傷つけない言葉選び。

これらを守ることにより、普段インターネットを利用しても安全なサイトと危険なサイトの区別や情報の真偽が判定できます。

また、現在のフィルタリングの機能には、
・チャット等で個人情報、誹謗中傷などを入力した際に警告。(※1)
・有害サイトを閲覧した際、保護者に通知が届き遠隔操作でアクセスを禁止。(※2)
・世代別にニーズに沿った設定。(※3)
等の機能があり、利用することで高度な『ICT』を養うことができます。SNS等でも適切な表現が出来るようになり、社会人になったときに正しい情報モラルが身に付いていると考えらます。


引用および参考文献
・中央区消費生活センター
 http://chuo-consumer.genki365.net/contents/hp0030/index.php?CNo=31&No=30
 2014/10/20
・Net Nanny インターネットフィルタリング7+(※1~3)
 http://netnanny.jp/oyako/appeal/
 2014/10/27
(※1~3)については、引用しています。


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