「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」
受賞作品

①使いこなし部門

silver優秀 「インターネットのおかげで思い出に触れることができた。」  千葉県 やまのおだぶつ


これは私の祖父の話です。

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私は現在東北のある地域に住んでいる。仕事も定年退職し、息子夫婦と孫に恵まれ、妻と共に楽しく暮らしている。あることを切っ掛けに、孫が「おじいちゃん、何かお話して。」というものなので、ふと今から30年くらい前に出た、ある本のことを思い出した。

本の内容はちょっとした伝記小説で、当時会社員だった私が、帰りがけの本屋で買ったのだ。私はその本を懐かしく思い、私の書斎の本棚を探したのだが、見つからなかった
あれは、定年を機会に私の生まれ故郷の東北へ引越しした際にだろう、どうやら私の手元から紛失してしまっていたようだ。
孫には「また今度、とっておきのお話をしてあげよう。」と言い、その本を探しに近くの古本屋を何店かあたってみたが、本は見つからず、市の図書館等でも探した。
しかし、その本の作者はあまり知名度が高くないせいなのか、図書館の書庫には蔵書がないというのだ。孫の為にも、もう一度あの本を見つけたいが、ここまで来てはどうすることもできない。
当時、あれは流行りの本などではなかったのだが、立ち寄った本屋で、ふと目にとまって立ち読みをしたときに気に入ってしまい購入したもの。
それからも何度もその本を読んだ。孫にその本のお話をしてあげたい。もう一度読みたい。

どうにかしてあの本を見つけられないものかと思っていた時だった。息子から「インターネット通販で探してみたらどうだ。」と勧められた。

私はあまりコンピュータのような機械は得意ではないのだが、分からならないところは息子がしてくれると言うから、任せてみることにした。
息子がノートパソコンでインターネットを繋ぎ、通販のホームページで本のタイトルを入力し検索したところ、あっという間に私が探していたあの懐かしい本が見つかったのだ。
すぐに購入手続きをし、数日後に注文した本が家に届いた。
私が最後に読んだときよりも保存状態もよく、中古ということで値段も手頃で、探していた本を再び私の手元に置くことができたのだ。
孫にはしばらく待たせてしまったが、無事にその本のお話をしてやることができた。
その本は現在私だけではなく、息子や孫までもが気に入って読んでくれている。

それからも私は欲しい本を購入する際に、インターネットで買い物をしている。妻からは呆れられてしまっているが、孫にお話をしてあげるのが楽しく、新鮮な気持ちで本を読む楽しみができたからだ。

私はインターネットのおかげで、懐かしい思い出にもう一度触れることができ、新たな気持ちで読書をすることができた。インターネットがあってよかったと心から私は感謝している。


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