「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」
受賞作品

④青少年のインターネット利用部門

silver優秀 利用のための成長、成長のための利用  千葉県 モーモン

私が頻繁にインターネットを利用するようになったのは中学三年生の頃、親にスマートフォンを買ってもらったことがきっかけだった。ハイテクで、持つことに憧れていたスマホを手にした私は嬉しく、周りの友人達と無料通話アプリLINEを使い頻繁に会話をした。学校に行かなければ会えなかった友人や部活の仲間と、いつでもどこでもコミュニケーションを取れるようになった。

そして、中学校を卒業して数日が経過した。知り合いと直接顔を合わせる機会は減り、交流はLINEを使った文字やスタンプだけの会話になった。そうやって関わりが薄くなった時、ある問題が起きた。一人の知り合いと仲が悪くなり、つながりを切ってしまったのだ。直に会って仲直りもせず、そのまま時は過ぎ去った。高校を入学・卒業して、大学に通うために地元を出て一人で暮らす今に至るまで、私はその人と一度もコンタクトを取ることがなかった。それ以前に手段が無くなってしまったのだ。

私が彼と仲違いをした理由は、SNS上なのに顔を合わせているような気分で会話していた、私の言葉遣いが原因ではないかと思っている。それを確かめる手段もないが、私が彼を傷つけたのだと、高校生活を通して成長をした私にはわかるのだ。私はその罪悪感を、大学生になった今でも、時折思い出す。

今の時代、中学生がスマホを所持していることは珍しくなく、むしろ多数派なところもある。まだ物事を深く、広い視野で考えられない子供達が、私のようにならないために願う事、守ってほしいルールは一つ。『ネット上では適切な言葉遣いを意識する』ことだ。それを遵守することで、スマホの若い利用者は大人に成長できる。つまり、スマホを利用するために成長し、自身の大人への成長ために利用できるのだ。

あの嫌な経験をして以来、私は実際に顔を合わせる人に対しても、スマホの画面を通すと丁寧な言葉を使うようになった。そうして考え方を変えたことにより、SNSでのコミュニケーションを外側からの視点で見ることができるようになった。それからというもの、ネット上の会話が原因で私が人を傷つけたと思うことはない。あの経験が、私を大人にしたのだ。

広い視線を持つことはコミュニケーションにおいて重要だ。それをできないのに、好奇心のみでスマートフォンを握ってしまった私は、罪悪を背負うことになった。誰も私のような経験をしないように、子供に限らず利用者全員が、自分と相手のコミュニケーションの仕方が適切か、見直してほしいと思う。

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