「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」
受賞作品

①使いこなし部門

silver.優秀 保健の授業の中でのインターネットの使いこなし活用例  東京都 小川 かをり

「高校2年生の教室で、いくら携帯をしまいなさいと言っても聞かないので、逆ギレしてネット活用を授業に取り入れた件」

「はい、全員携帯を机の上に出して」
普段はしまいなさいと口うるさく言われているので教室の生徒たちは怪訝な顔だ。
「画像検索競争をします。最初に探してもらう画像は、これです」

私は黒板に喫煙ルームが不完全に分けられたNG分煙ルームの画像を出してみせた。皆一斉に画像検索に取り掛かるがなかなか同じ写真は出てこない。この分煙説明図は厚生労働省労働基準局長通知 基発第0509001号(平成15年5月9日) 職場における喫煙対策のためのガイドラインについて[L20110418063]より作図されたものであるが、多くの労働組合のお知らせなどでも引用されている図だから何通りかのルートで検索できる。でもカギは検索のキーワードに気づくことだ。
 この競争の目的はそのキーワード、「禁煙」「分煙」「不完全」といった保健の学習内容をこの図から読み取って、気付いて、検索ワードにかけるということだった。最初はなかなかたどり着かなかったが数分して二人の男子生徒がこの図にたどり着いた。普段の授業は寝ている子だったが、大好きなネット検索競争ゲームということで今回張り切って参加、そして優勝。嬉しそうだった。
得意げに皆に検索のキーワードを教え、1スペース開けると、アンド機能が働き、どれかのキーワードを含むものすべての画像が現れると、クラスの皆に教えてくれた。

「面白い!もっとやろう」という声が出てきたので、他にも喫煙マナー広告や、諸外国のタバコのパッケージの画像を検索させた。これは煙草の害を教えるのに大変好都合な画像ばかりである。

こうして授業の終わり頃には「もう電源がない!」との声が出るほどにいろいろな検索に熱中したのであった。ネットを活用した授業は、興味本位に流れてしまう、と言った内容の深まらない欠点もあろう。しかし、まずは興味をもたせて参加させるという目的で使う分には大変有効な教授手段にもなりうるとこの実践より学んだのであった。

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「すぐ禁煙サイト」より
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「タイの反喫煙のタバコパッケージ画像が凄すぎる - NAVER まとめ」より

(生徒の感想より)
・毎回保健の授業が待ち遠しくて仕方がありません。教科書は古い事ばかりなので、今の社会が学べると思っています。
・今話題になっている政策などから、教科書の大事なことまでたどっていけるのが楽しいです。
・またやってほしい。いつもは、スマホはしまいなさい。アイパッドはしまいなさいと言われるのに「なんだろ?」と思った。
 でもやってみたら、他の人の検索のしかたを見て自分の癖がわかったし、おもしろいと思った。教科書のことを学ぶのに
 教科書以上だとおもう。

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