Subject: [HOTLINENEWS 114]
インターネットホットライン連絡協議会メールマガジン58号(2010年5月号)
2010年5月13日発行

寒暖の差が激しい5月中旬、体調をくずしがちですが、
気持ちを引き締めていきましょう。
それでは、今月も相談中心にお知らせいたします。


▼ホットラインに寄せられた相談件数

2010年4月 83件
http://www.iajapan.org/hotline/data/data.html

・クリック詐欺の相談は落ち着くが、
 高校生・大学生からの相談は全て架空請求関連
・クレジット会社から身に覚えの無い海外サイト利用請求が来たので、
 問い合わせると「私たちは、**Cardからの請求代理人で、
 クレームにはお答しかねます」と言われ困っている
・アバターを購入したが、サンプル画像と実際の画像に差異があったので、 
 同社に報告し、画像データの変更を依頼したが対応してくれない
・数日前にイギリス銀行の人からメールで私宛に亡くなった方のお金
 200万ポンド(約3億)を送金したいというメールが来ました、
 信じてもいいのでしょうか
・正常にオークションを終了、取引を推進中に「代金の支払いについて
 お知らせしたい事があるので、このメールが届いてたら、下記アドレスへ
 返信頂けますか?配送先をご連絡下さい。」という怪しいメールが届いた
・広告主としてアフィリエイトサービスプロバイダーに申し込み、
 保証金を3万円振り込んだが、その後問い合わせても音沙汰がない


▼相談より:チェーンメールの転載

(相談)
「チェーンメールに注意してください」とネットでチェーンメールの全文を
転載する書き込みを見かけることがあります。
それはそれでいいのだけれど、メール本文には実在する連絡先のメールアド
レスや電話番号があることもあり、内容とは無関係の場合もあります。
純粋な気持ちでされてると思うので、横やりを入れるように忠告しても反感
を買うだけでしょうか。見守っているしかないのでしょうか。

(回答)
有名なのは「盲導犬を守ろうチェーンメール」での県知事室のアドレスや、
「オムライスチェーンメール」の中古車販売会社の電話番号です。
これでは、当事者に迷惑メールや迷惑電話が届いてしまって、せっかくの
善意が逆効果になってしまいます。
でも、横やりでも何かしら注意喚起をするとどうなるか、試してみてもよい
かもしれません。もともと善意の気持ちですから恐らく逆ギレはしないはず。

「チェーンメールの転載は、注意喚起という観点からはとても良いことです。
 ただ、実在すると思われるメールアドレスをそのまま転載するとどうなる
 か、ぜひご配慮いただきたいところです。
 例えば、ネットにメールアドレスを掲載すると、迷惑メールを送りつける
 巡回ロボットがアドレスの掲載を自動認識してアドレスを収集します。
 そして、そのアドレス宛に色々な種類の迷惑メールが届きます。つまり
 千葉県知事室や松戸市長宛に迷惑メールが大量に届くことは間違いあり
 ません。メールアドレスを*等を使って一部隠し書き換えるこをおすす
 めいたします。
 
 例:*****@****.jp
(補足:実際は、実在すると思われるメールアドレスが書かれています)

 転載例の参考:撃退チェーンメールより
 http://www.dekyo.or.jp/soudan/chain/report/past/060515.html#s1 」


いくつか、転記の停止や削除を呼びかけも実際に見つけることもあります。
いろいろな書き込みを見ると、ネットにはいろいろな人がいるんだな〜、と
あらためて感じます。
落とし穴の情報もあるけど、落とし穴があることを知る得る情報もあります。


▼相談より:だまされたらしい

(相談 2010年4月)
ネットを使っていたら、
「パソコントラブルエラー 4千件あります、至急修復するように」と、
ソフトの販売サイトになり、クレジットナンバー、自宅住所、名前を教えてしまった。
「cleverbridge.com」につながり、自動翻訳でドイツ語に翻訳。
そして、ドイツ語の問い合わせ先と思われる表示があらわれた。
請求金額(数千円程度だが)を拒否することはできるか、自宅に請求もくるのか。

(回答)
実際にトラブルがあるということが、ネットの掲示板等で見つけることができます。
cleverbridgeを調べたらこんなトラブルがありました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1332572428
cleverbridge 問いあわせ先
http://www.cleverbridge.com/540/?scope=opcuseco&id=qzrb1yhpzs

クレジットカード会社に連絡をして、これは故意ではなく、画面に現れてあわてて
入力してしまったから、と事情を伝えること。
明細が届いてからでも、支払い拒否を申請することはできますが、早いほうがよい。

クレジットの悪用も考えられるので、もし他の利用明細で心当たりのない例が
あれば、クレジットカードナンバーを変えることも検討。
ただし、利用明細を見てからの判断でもよい。

cleverbridgeへ問いあわせすると、メールアドレスがばれてしまって逆効果
悪質業者と思われるので、あわてて行動しない方がよい。
自宅に請求があるかもしれないと心配をしているが、請求があるのは、クレジット
カード会社からである。


▼相談より:出会い系サイトトラブル

出会い系サイトは、出会えるまでが大変なのですね。
今月は相談件数が多かったです。

(相談 2010年4月 サラリーマン男性)
出会い系サイトを、利用し、アドレス交換手続きでお金必要と言われ、何度か、お金
も振込してしまったんですが、交換手続き失敗してしまいましたといわれまた、お金
が必要といわれたので、途中取り消し、依頼したら、それには、交換手続き以上のお
金必要といわれ、無視したら、メールが止まらなくなりました、このまま無視してい
いのでしょうか?、サイトには、名前、年齢、携帯番号、アドレス、を教えてしまい
ました。

(相談 2010年4月 18歳大学生)
出会い系サイトから登録してしまった****ってサイトから退会ができません…
退会の項目が見当たらないんです。月額1つずつ315円なので2つで630円何もしな
いままかかってしまいます…早めに退会するにはどうしたらいいですか…?

(相談 2010年4月  39歳 主婦)
連絡先が交換できると相手の方から言われ、応じました。手続きにで次々とお金を請求
されこれで最後かと何度も確認しましたが「不明な請求は一切ございません」の一点張
りがです。一度入金すると次の手続きでお金がかかり手続きがいつまでかかるのかの問
合せてみましたが答えてはくれませんでした。強制ではないとの事でしたが総額8万程
とられました。サイトと利用した電子マネーには返金要求をしましたが無理な様です。
どうしたらいいのでしょうか?自己責任と諦めるしかないのでしょうか?
サイトはラブ*** info@****.am です。

(相談 2010年5月  30代 女性)
今年の2月から出会い系サイトを2つ利用していた。ネットでおしゃべりをすることが
楽しかったし、友だち感覚になって悩みを聞いてくれたある男性1人に、自宅電話番号、
携帯メアド、写真、を送り、会おうということになったが、数日前に会うことをやめた。
その後、あるサイトでいやらがせの書き込みを見つけて、自分のことだとわかった。
その後、迷惑メールに悩まされたので、携帯メアドを変更した
出会い系サイトは退会し、その後、別のコミュニティサイトでアバターを使って伝言版
に書いたころ、出会い系サイト利用当時の自分を知っているかような書き込みを見つけ、
ここでもいやがせを受け続けている。入ったら10日後のことである。
なぜ、当時のことを知っている人が別のサイトに出てくるのか、出会い系サイトとコミ
ュニティサイトはつながっているのか。せっかく前のサイトは退会したのに、どこも利
用できない。こんなちっぽけな携帯電話がどういうしくみなのか、不思議でならない。

以上です。

相談とは別ですが、こんな記事がありましたので参考になります。
2010年5月8日  読売新聞
出会い系サイト「サクラ」が語る会えない仕組み
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100508-OYT1T00609.htm
大阪市淀川区のインターネットサービス会社社長ら5人が出会い系サイト利用料を架
空請求したとされる詐欺事件で、約1万4000人から振り込まれた総額約2億円の
中には、「サクラ」を使った偽の出会い系サイトで得た利用料も含まれていたことが、
大阪府警の調べでわかった。(以下続く)


▼ホットラインセンター情報

・統計情報
http://www.internethotline.jp/statistics/
1月 9,413  件

2010年5月12日 18時4分
NHKニュース 社会「ネット児童ポルノ 削除に8日」 動画あり
http://www3.nhk.or.jp/news/

インターネット上の児童ポルノについて、サイトの管理者などに画像の削除を依頼
してから実行されるまでに、平均でおよそ8日間かかっていることがわかり、ネッ
ト上での画像の広がりに歯止めがかかっていない実態が明らかになりました。
警察庁から違法な画像の通報などを委託されている団体、インターネット・ホット
ラインセンターが、去年1年間に、児童ポルノを確認してサイトの管理者などに削
除を依頼したケースは、過去最多の1800件余りに上っています。警察庁が削除
までにかかった期間を調べたところ、▽4日から9日が39パーセント、▽10日
以上が19パーセントで、▽3日以内に削除されたのは17パーセントにとどまり
ました。削除までの平均の期間は7.7日間で、最終的に削除されなかったケース
も10パーセントありました。サイトの管理者に連絡しても応じない場合が多く、
サーバーを管理している業者に削除を依頼するため時間がかかるということです。
インターネット・ホットラインセンターの吉川誠司副センター長は「画像がすぐに
削除されないと、ネット上に広まってしまうため、今の対策には限界がある」と話
しています。警察庁は、放置された画像が複製されることで、二次被害がさらに大
きくなるとして、サイトへの接続自体を遮断して、閲覧できなくするブロッキング
と呼ばれる対策を幅広く導入すべきだとしています。

(参考記事)
2010年4月30日
児童ポルノ紹介も「有害」…警視庁、誘導サイト削除要請へ
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20100430-OYT8T00347.htm

インターネット上で児童ポルノサイトを紹介している「ランキングサイト」が児童
ポルノの温床となっているとして、警視庁は30日にも、サイト管理会社4社に削
除要請を行う。ランキングサイト自体には違法画像は掲載されていないが、リンク
によって誘導されるサイトに約3万点の児童ポルノ画像が掲載されており、「有害
サイト」と判断した。
児童ポルノに絡み、警察当局がランキングサイトに削除要請するのは初めて。
誘導先の違法サイトについても、順次、児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑など
で摘発していく方針。削除要請の対象は、東京、神奈川、兵庫に本社のあるサイト
管理会社4社が設置する14のランキングサイト。計835の児童ポルノサイトの
タイトルが張り付けられ、クリックするとそのサイトに誘導される。誘導先には、
小学生以下とみられる児童の無修整画像が少なくとも計1万4500点、中学生や
高校生とみられる画像も計約1万4000点が掲載されていた。
同庁では、今後も有害なサイトを確認し次第、削除要請を続ける方針。
(続く)


▼ネット事件簿(3件)

・2010年5月12日(日本音楽著作権協会  JASRAC)
http://www.jasrac.or.jp/release/10/05_2.html
音楽ファイルを違法にライブストリーム配信している
インターネットラジオ番組運営者を著作権法違反の疑いで逮捕
群馬県警察本部生活安全部生活環境課および群馬県前橋警察署は、本日(5月 12日)、
インターネットラジオサービスを利用して、JASRAC管理楽曲の音楽ファイルを違法に
ライブストリーム配信していたラジオ番組運営者の男性(43歳)を著作権法違反(公衆
送信権侵害)の疑いで逮捕したことを発表しました。
今回の事件は、インターネットラジオサービス「livedoorねとらじ」を利用して
開設されたラジオ番組「★★★★BGM★★★★ by kei」において、約2万曲もの音
楽ファイルを違法にライブストリーム配信していたものです。
なお、インターネットラジオのようなストリーム配信型の違法音楽配信に関して、著作権
法違反の疑いで逮捕者が出たのは今回が初めてのことです。

・2010年5月12日
ツイッターに「東国原殺す」 脅迫容疑で宮崎県警が捜査
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100512/crm1005122227043-n1.htm
インターネット上に短文を投稿できるサービス「ツイッター」に「2010年5月12日
正午に宮崎県庁で東国原英夫殺す」と書き込みがあり、県警は12日、県庁や東国原英夫
知事の身辺の警戒に当たった。
県警によると、12日午前中に殺害予告の書き込みがあるとの情報が県警にあり、サイバ
ー犯罪対策室が確認。脅迫などの容疑で捜査している。
県の秘書広報課によると、知事は予告時間の正午ごろは知事室に在室。自身のブログで
「ネット上に『僕への殺人予告』が書き込まれたらしい。警察から連絡があった。
一体、どうなってんの?」との文章を掲載した。

・2010年5月11日
中1女子に性的暴行容疑 男2人逮捕 京都府警
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100511/crm1005112344044-n1.htm

京都府警宇治署などは11日、家出中だった中学1年の女子生徒に性的暴行を加えたと
して強姦(ごうかん)の疑いで、京都市南区上鳥羽奈須野町の会社員(32)を逮捕。
逮捕容疑は昨年11月30日、京都市内のホテルで女子生徒に性的暴行を加えたとして
いる。この生徒の体を触ったとして強制わいせつの疑いでアルバイト(32)を逮捕。
携帯電話の出会い系サイトで女子生徒と知り合い、友人の容疑者に紹介した。
30日に家族から家出人捜索願が出ていた。



▼ 総務省「通信利用動向調査」、シニア世代のネット利用増加

2010年4月27日 ニュースリリース(PDF)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000064217.pdf

平成21年「通信利用動向調査」の結果
 (抜粋)
総務省では、この度、平成22年1月に、世帯及び企業における情報通信サービスの利用状況、
情報通信機器の保有状況等について調査した「通信利用動向調査」の結果を取りまとめました。
今回の調査結果のポイントは、以下のとおりであり、また、概要は別添のとおりです。

<インターネット等の普及状況>
インターネットの利用者数は9,408万人、人口普及率は78.0%。
インターネットの利用者数は、対前年比317万人増の9,408万人に達し、人口普及率は
78.0%(対前年比2.7ポイント増)となった。[p1]
また、インターネットの世代別の個人利用率をみると、60歳以上の世代において、インターネ
ットの利用率の伸びが顕著。 [p3]
自宅パソコンからのインターネット接続にブロードバンド回線を利用している世帯の割合は
76.8%(対前年比3.4ポイント増)。このうち、光回線が41.1%(対前年比2.1ポ
イント増)と増加し、光ファイバーによるブロードバンド化が着実に進展。 [p5]
 個人がインターネットを利用する際に使用する端末として、「ゲーム機・TV等」からのイン
ターネット利用者が739万人(対前年比30.3%増)と大幅に拡大するなど利用端末が多様
化。[p2]

(以下続く)


▼ニコニコ動画、JASRAC管理海外楽曲の利用許諾に合意
 
2010年4月28日 ニュースリリース(PDF)
http://info.niwango.jp/news/pdf/2010/20100428.pdf

ニワンゴとドワンゴは、動画サイト「ニコニコ動画(9)」と動画投稿サービス
「SMILEVIDEO」において、日本音楽著作権協会(JASRAC)が管理する海外楽曲の利
用について、契約締結に向けた準備を進めることで合意したと発表した。
 ニコニコ動画では、2008年4月にJASRACとの間で国内楽曲の利用について契約を締
結している。さらに、JASRACが管理する海外楽曲の利用についても協議を行ってきた
が、ニワンゴとドワンゴは、JASRACが示した許諾条件に同意した。
 これにより、ニコニコ動画のユーザーは、JASRACが管理する海外楽曲についても、
自身で演奏・歌唱した動画作品をアップロードすることが可能となる。
 JASRACも28日、動画投稿(共有)サービスにおける利用許諾条件の変更を発表し
た。これまでの許諾条件では、個人などの投稿者が作成した映像作品におけるJASRAC
管理楽曲の利用については「当面は内国曲に限る」という但し書きが付いていたが、
4月28日付の変更でこの但し書きが無くなった。
参考記事(インプレス)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100428_364494.html


▼ 東京都、青少年健全育成条例の「新旧対照表」と「質問回答集」をネットで公開

2010年4月27日
東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案について
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyoureikaisei.html
東京都議会 総務委員会の予定
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/schedule/general_affairs.html

東京都青少年・治安対策本部は4月27日、改正を検討している青少年健全育成条例の新
旧対照表をWebサイトで公開した。全34ページのPDFファイルがダウンロードできる。
 「東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案について」というページを開設。
新旧対照表のほか、3月以降に都が作成した改正案についての説明資料や、改正案の
方向性を決めた青少年問題協議会の答申など、関係資料をリンクしている。
 改正案では、漫画やアニメに描かれた「非実在青少年」についての規制や、携帯電
話などインターネット関連の新たな規制を盛り込んだが、規制対象の定義があいまい
など問題を指摘する声が上がっていた。
 なお、このページは27日夜現在、東京都のサイトのトップページからもリンクされ
ている。
 改正案については、2〜3月に開かれた第1回定例都議会に提出されたが、継続審議
となり、6月の第2回定例都議会で審議が続けられる見込み。ただし、議会は現在閉会
中だが、この件について5月6日に総務委員会が開かれることになっている。都民など
に対する説明について、青少年・治安対策本部からの報告や質疑が行われる予定だ。

 都では、議会から「条例案の趣旨に関する周知が足りない」との指摘を受けたこと
を踏まえ、4月に入って、都民への周知のためのQ&Aなどの資料を作成・公開してき
た。総務委員会の開催を前に、さらに今回、新旧対照表や公式まとめページを公開し
たかたちになる。

参考記事(インプレス)
・東京都、青少年健全育成条例改正のまとめページ、条文も公開
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100427_364280.html
・青少年健全育成条例改正案のポイント、東京都が周知資料を作成
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100420_362547.html
・東京都、「非実在青少年」に関する25項目のQ&A集を作成・公開
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100426_364055.html


▼神奈川県も条例で規定へ、携帯フィルタリング解除の「理由書」

2010年4月21日
神奈川県青少年保護育成条例の改正骨子案(ただいまご意見募集中!)
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/jorei/kaisei-kossian.html

 神奈川県は、青少年が使う携帯電話のフィルタリングサービスを解除する際に、保
護者が携帯電話事業者へ「理由書」を提出するよう求める。改正を検討している青少
年健全育成条例に新たに規定として盛り込む方針だ。
 現在、改正骨子案を公表しており、5月20日までパブリックコメントを募集してい
る。骨子案によると、条例改正により「保護者が青少年の携帯電話のフィルタリング
を解除できる理由を限定した上で、解除する場合は、事業者に理由を申し出」「事業
者は、保護者の解除理由について契約期間内は記録保存」することとしている。これ
により、青少年が使う携帯電話のフィルタリングは、「一定の理由」がなければ解除
できないことになる。
 具体的な理由については明記していないが、首都圏ではすでに埼玉県が同様の規定
を盛り込む青少年健全育成条例の改正を行っており、10月より施行予定だ。埼玉県の
改正骨子案においては、解除の理由として「青少年が就労し、業務上必要な場合」
「青少年に障害や疾病のある場合」「保護者がインターネットの利用履歴提供サービ
スを活用し、青少年のインターネットの利用状況を常に確認する場合」を示してお
り、神奈川県でも同様のものになると思われる。 
 なお、東京都でも同様の規定を盛り込む条例改正を予定していたが、改正案にあわ
せて盛り込まれていた“非実在青少年”規制の問題により、継続審議となっている。
 今回の神奈川県の条例改正では、規定の追加などとともに、章編成の再構成も行う
予定。「携帯電話の弊害への対策を中心に、インターネット対策に係る規定で構成」
する「インターネット環境の整備関係」の章も独立して設ける。
 神奈川県では、「携帯電話の弊害から青少年を守るためには、規則だけでは十分で
ない。特に保護者や青少年自身にその危険な面を知っていただくことが必要」として
おり、パブリックコメントとあわせ、条例の周知方法や、携帯電話の弊害に関する啓
発方法などについてアイデアを募集する。
参考記事(インプレス)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100423_363404.html


▼生徒指導マニュアル「提要」30年ぶり改定 ネットいじめや虐待に対応で

参考記事(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/life/education/100418/edc1004181943001-n1.htm

インターネットや携帯電話を利用した「ネットいじめ」や有害サイト問題などについて、
全国の小中高校などで生徒指導に当たる教師に、統一的な対策が示されることになった。
文部科学省は、教員の生徒指導の手引き書「生徒指導提要(ていよう)」を約30年ぶ
りに抜本改定。新たに小学生も対象とし、ネット社会での学校の問題のほか、児童虐待
の早期発見に教師らが義務を負っていることも明記した。
夏ごろに全国の学校に配布予定だ。
生徒指導提要は、教員が生徒指導をする際のいわばマニュアル本。子供たちの日常や社
会生活について注意すべき点などが記されている。
旧文部省が昭和40年に作成後は、全国で校内暴力が社会問題化した56年に一部改定
されただけだったが、文科省がインターネットや携帯電話の普及など、時代の変化にあ
わせて、約30年ぶりに改定。これまでは中高生だけを対象としたが、非行やいじめの
若年化に伴い、小学生の生徒指導も対象とした。
 改定提要では、ネット上の「学校裏サイト」やプロフと呼ばれる自己紹介サイトで中
傷の書き込みをする「ネットいじめ」について指摘。「繰り返させないために、被害者
の傷が深いことを気づかせることが大切」と強調した。また、ネット上に書き込まれる
殺人予告や自殺予告などについては、「警察に110番通報すべき」としている。
 出会い系サイト、アダルトサイト、違法薬物販売サイト、自殺サイトなどに児童・生
徒が触れるケースが多いことも強調。こうしたサイト利用を勧誘する不審な迷惑メール
などには「返信しないように指導することも大切」とし、有害サイトへのアクセスを防
止する「フィルタリング」を「保護者に呼びかけることが重要」とも強調している。


▼PC向け「Yahoo!モバゲー」立ち上げへ、ヤフーとDeNAが提携

2010年4月27日 ニュースリリース
Yahoo! JAPANとDeNAの業務提携について
http://blog.dena.ne.jp/press/archives/2010/04/yahoo_japandena.html

(抜粋)
「Yahoo!モバゲー(仮称)」では、利用者がPCとモバイル双方から同一ゲームを利用
できる仕組みの提供や、ゲームデベロッパーが同一ゲームをPC とモバイルの双方で展
開できる開発環境やプロモーション環境を整備してまいります。
【提携の概要】
◇PCにおける連携の実施
−モバゲータウンと共通の利用者基盤を持つソーシャルゲームプラットフォーム
 「Yahoo!モバゲー(仮称)」の構築・運営
−モバゲータウンのソーシャルゲームや定番タイトルの移植、新ゲームの開発・展開、
 既存ソーシャルグラフの展開
−「Yahoo!モバゲー(仮称)」におけるYahoo!ウォレット決済の利用
◇PC、モバイル双方における連携の実施
−Yahoo! JAPAN IDとモバゲータウンIDの連携による相互利用の実現
−PC版・モバイル版利用者に対するクロスプロモーションや相互誘導の実施
【今後のスケジュール(予定)】
2010年初夏    ゲームデベロッパーへ開発環境提供開始(順次)
2010年晩夏    「Yahoo!モバゲー(仮称)」サービス提供開始


▼「前略プロフ」PC版リニューアル、ティーンを意識したデザインに

楽天は4月22日、「前略プロフィール」のPC版トップページをリニューアルした。
「これまでのモノトーンでシックな印象だったトップページを、中高生をターゲット
としたポップでキュートなイメージのデザインに一新した」という。

前略プロフィール
http://pr.cgiboy.com/

「前略プロフィール」は2002年4月にサービスを開始。2010年4月11日時点で会員数
が600万人を突破した。いわゆる“プロフ”として多くの中高生が利用するサービス
となっており、8〜9割が女子といわれる。サービス開始から8年が経過し、このよう
にユーザー層が明確になったことから、楽天ではPC版のサービス開始以来、初の大幅
リニューアルをすることにした。ただし、やはり利用は携帯電話からが多く、7割以
上を占めるという。
 PC版のサービスロゴも変更している。これまでは縦書きで、しかも「前略」部分が
毛筆フォントだったが、横書きのモバイル版ロゴと統一した。
 デザイン変更のほか、機能面では、これまでモバイル版のみで対応していたミニブ
ログサービス「前略リアル」とフォトストレージサービス「前略アルバム」につい
て、PC版からも閲覧できるようにした。
参考記事(インプレス)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100422_362990.html


▼デジタルアーツ、Webフィルタリングデータベースが3億ページ突破

2010年5月10日ニュースリリース
http://www.daj.jp/company/release/2010/r051001.htm

(抜粋)
デジタルアーツ株式会社は、本日、自社内にて収集しているWebフィルタリングデー
タベースの登録Webページ数が3億を突破したことを発表します。
インターネットのコンテンツは日々変化をしており、最近では、Web上の情報を閲覧
するだけではなく、利用者同士が自由にコミュニケーションできるサービスなども急
増しています。こうした状況に対応すべく、デジタルアーツでは、データベースのさ
らなる強化を目指して、以下のような施策を行っています。
カテゴリ分類時の自動化推進
Webページをカテゴリ毎に分類する際に、たとえば、「麻薬販売」と「麻薬撲滅」の
ページを最終的に区別する上で、今までは「目視」による登録ページ確認のプロセスを
複数回経ることで精度を高めていました。
今まで蓄積したノウハウと、フィルタリングにかかる特許技術を活かした「自動判定ツ
ール」により、カテゴリ登録の一次判定を自動化するようになりました。これにより、
精度の高さを維持したまま、一次判定速度が、従来の約2倍となり、さらなる効率化を
図れるようになりました。
(以下続く)
スパムメール対策「m-FILTER Anti-Spam」との連携
URL収集を収集するための、独自開発クローラーの性能向上


▼iPhone向けのブラウザアプリとして、「Yahoo!あんしんねっと」の提供を開始

Yahoo!あんしんねっと
http://anshin.yahoo.co.jp/

 ヤフーは、iPhone向けのブラウザアプリとして、「Yahoo!あんしんねっと」の提供
を開始した。利用料は無料。
 今回提供が開始された「Yahoo!あんしんねっと」は、有害サイトフィルタリング機
能を利用できるiPhone向けのブラウザアプリ。低年齢層のユーザーがスマートフォン
を利用する際のブラウザアプリとして提供されるもので、年代に応じてフィルタリン
グ設定を変更できるようになっている。また、フィルタリング設定の変更は専用のパ
スワードを利用する。
 フィルタリング設定は「Yahoo!きっず」「小学生モード」「中学生モード」「高校
生モード」「高校生モード+EMA認定サイト」「フィルタリングの解除」の6つが用意
されている。
 また、ブラウザ「Yahoo!あんしんねっと」の検索では、「Yahoo!検索」「Yahoo!
きっず検索」のいずれかを選択可能。フィルタリング設定が「Yahoo!きっず」の場合
は検索も「Yahoo!きっず検索」のみとなる。また、「Yahoo!検索」の結果からアクセ
スする際に、フィルタリング設定に基づいたアクセス制限が行われる。

参考記事(インプレス)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100511_366329.html


▼内閣府「平成21年度 青少年有害環境モニター調査 報告書」

http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/yugai3/pdf_index.html

調査期間
平成21 年12 月17 日(木)〜平成22 年2月10 日(水)
モニターの概要
全国各地において、青少年の健全育成に意欲的に取り組んでいる青少年育成アドバイザ
ー、少年警察ボランティア、地域ボランティア活動員を中心に、1,378 名を「青少年有害
環境モニター」として委嘱した。

深刻であると思う有害情報をたずねたところ、「インターネット上の各種サイト」
(73.0%)、「携帯電話」(71.0%)が7割を超えて多くなっており、「大麻などの薬物」
(57.5%)も5割を超えている。

 第1節 調査票
1.広告物 [PDF:144KB]
2.自動販売機 [PDF:154KB]
3.携帯電話 [PDF:200KB]
4.雑誌・出版物 [PDF:155KB]
5.ビデオ・DVD・CD−ROM [PDF:144KB]
6.テレビ番組 [PDF:158KB]
7.コンビニ・量販店 [PDF:152KB]
8.インターネットカフェ・まんが喫茶 [PDF:108KB]
9.出会い系喫茶 [PDF:68KB]
10.サラ金 [PDF:59KB]
11.酒・たばこ [PDF:157KB]
12.大麻などの薬物 [PDF:147KB]
13.カラオケBOX [PDF:138KB]
14.インターネット上の各種サイト [PDF:211KB]
15.ゲームセンター [PDF:159KB]
16.溜まり場・居場所(7、8、9、13、15除く) [PDF:162KB]
第2節 モニターアンケート
1.効果的であった青少年育成活動 [PDF:237KB]
2.有害環境対策における意見・要望 [PDF:240KB]



■国や業界団体の動きをニュースから
▼有害情報対策

2010.4.7(asahi.com)
交流サイト、年齢確認を強化 携帯電話会社が情報提供
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201004060535.html

2010.4.18(MSN Sankei News)
生徒指導マニュアル「提要」30年ぶり改定 ネットいじめや虐待に対応で
http://sankei.jp.msn.com/life/education/100418/edc1004181943001-n1.htm

2010.4.19(INTERNET Wacth)
児童ポルノのブロッキングに、原口総務大臣「通信の秘密は重い」
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100419_362362.html

2010.4.20(INTERNET Wacth)
青少年健全育成条例改正案のポイント、東京都が周知資料を作成も
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100420_362547.html

2010.4.21(INTERNET Wacth)
「保護者のためのフィルタリング研究会」国内主要3社が設立
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100421_362579.html

2010.4.23(INTERNET Wacth)
神奈川県も条例で規定へ、携帯フィルタリング解除の「理由書」
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100423_363404.html

2010.4.26(INTERNET Wacth)
東京都、「非実在青少年」に関する25項目のQ&A集を作成・公開
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100426_364055.html

2010.4.30(asahi.com)
児童ポルノにリンク、サイト運営4社に削除要請 警視庁
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201004300148.html


▼国や業界団体の動きをニュースから

2010.4.1(INTERNET Wacth)
「インターネット広告推進協議会」が社団法人化
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100401_358365.html
2010.4.1(INTERNET Wacth)

コミュニティ監視5社が連絡会設立、サイト運営支援策を発表
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100401_358453.html

2010.4.2(INTERNET Wacth)
盗品カーナビ対策、オークション出品に製造番号の記載義務付けへ
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100402_358756.html

2010.4.2(asahi.com)
「闇サイト」、利用者装い摘発へ 警視庁が専従捜査班
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201004020221.html

2010.4.28(INTERNET Wacth)
「マジコンでゲームをするのは違法?」経産省と文化庁がパンフ作成
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100428_364599.html


▼調査結果・統計・データ

2010.4.6(INTERNET Wacth)
文化庁が海賊版調査、違法アップロード被害を権利者の6割が把握
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100406_359451.html

2010.4.8(INTERNET Wacth)
小・中学生の携帯電話所有率が低下、高校生にはPC離れの兆し?
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100408_359768.html

2010.4.9(YOMIURI ONLINE)
ゲーム機ネット接続に保護者不安
http://www.yomiuri.co.jp/net/security/goshinjyutsu/20100409-OYT8T00843.htm

2010.4.28(INTERNET Wacth)
総務省の「通信利用動向調査」、シニア世代のネット利用増加
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100428_364569.html


▼その他の最新ニュース
一覧
http://www.iajapan.org/hotline/inews/inews.html

2010.4.1(MSN Sankei News)
映画500作、違法ネット配信4年間 “監視システム”で初摘発
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100401/crm1004011034008-n1.htm

2010.4.4(asahi.com)
2ちゃん側への印税、名誉毀損の被害者に支払いで和解
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201004040223.html

2010.4.8(asahi.com)
ネット上に中傷、接続業者も発信者情報開示義務 最高裁
http://www.asahi.com/digital/mobile/TKY201004080417.html

2010.4.13(asahi.com)
ネット中傷、プロバイダー賠償責任「限定的」 最高裁
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201004130421.html

2010.4.15(YOMIURI ONLINE)
男児ポルノ専門サイト、初摘発…埼玉県警
http://www.yomiuri.co.jp/net/security/s-news/20100415-OYT8T00418.htm

2010.4.20(MSN Sankei News)
生活保護受給者に無料入手させた向精神薬を転売 容疑の男ら立件へ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100420/crm1004201145005-n1.htm

2010.4.27(asahi.com)
やずや採用活動で投稿動画流出 学生、公開制限分からず
http://www.asahi.com/digital/internet/OSK201004260073.html

2010.4.27(MSN Sankei News)
「援デリ」運営の大学生2人逮捕 少女らに50分3万円でわいせつ行為
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100427/crm1004271144011-n1.htm

2010.4.27(INTERNET Wacth)
日大が職員情報流出で緊急会見「業務情報は無断持ち出しだった」
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100427_364225.html

2010.4.30(asahi.com)
児童ポルノにリンク、サイト運営4社に削除要請 警視庁
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201004300148.html


▼編集後記

30代の女性より、電話で相談を受けました。
出会い系でおしゃべりをすることが楽しかったのに、男の人に騙されたようで、
嫌がらせ電話や迷惑メールに悩まされている。といったオバカさんです。
話しているうちに「何で男性の正体を見抜けなかったのだろう」と思いました。
印象的だったのは、相談者のこの言葉です。

「こんなちっぽけな携帯電話で、こんなことになるなんて!」

ちっぽけでも大きなネットの入り口なのに、感覚わからないのかな〜?

以上