出典:財団法人インターネット協会
(平成14年12月20日作成、平成20年12月1日更新)
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ルール&マナー集
「迷惑メール対策編」
目 次
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第I部:迷惑メールのあらまし
迷惑メールとは
 見知らぬ相手から望みもしない内容のメールが届くことがあります。商品の宣伝や有料サイト利用の勧誘などの商業的な宣伝メールをはじめ、思想や宗教的な宣伝、いたずらメールや、コンピューターウィルスに感染して自動的にばらまかれてしまったメール、単純な間違いメールなどさまざまなものがあります。

 このようなメールは、迷惑なメールだと言うことができます。
なぜ、迷惑なのか
 望みもしないのに届くメールのなかには、受信者にとって有益な情報や興味のある情報が書かれていることも時にはあります。迷惑かどうかは受信者の主観です。しかし、次のような被害を受けることから、多くの人々が不快感や迷惑を感じ、あるいはそれ以上の損害や危険なものとして受け止めています。
  • 財産権侵害のおそれ:一方的に送りつけられてくるメールの通信費用は受信者が負担
    (携帯電話のパケット通信料、プロバイダとの接続費用)
  • メールを整理するのに生じる手間
  • 送りつけられたメールによって以前のメールが消えてしまう(携帯電話など、記憶容量が少ない端末)
  • 同じ内容のメールが何度も繰り返し送られてくる
  • 差出人が明らかではないために苦情を言うことができない
  • 深夜や早朝に携帯電話メールの着信音で起こされる
  • 自衛手段が限られている(アドレス変更など)
  • 成人向けの表現を含む情報、未成年や子どもへの着信
  • 悪質商法と思われるビジネスの勧誘や、違法と思われる商品の販売などの情報が送られてくる(保証金を差し入れる内職やサイドビジネスの勧誘、マルチ商法・ねずみ講の勧誘、債務整理、与信情報の抹消、不当な請求、わいせつビデオの販売など)
  • 受信者に個人情報が漏洩しているなどの不安が生じる
  • 大量のメール送信により通信システム全体に負荷を与え、通信事業者やシステムの利用者全体に影響が及ぶ
 また、迷惑なメールには、いわゆる、いたずらメールも含まれます。軽度のいたずらから悪質なもの、中には犯罪性や違法性を帯びるものもあります。代表的なものには次のようなメールがあります。
  • 嫌がらせ、ストーカー、脅迫メール
  • メール爆弾(大量のメールを送りつけたり、サイズの大きな添付ファイルを送りつけたりして受信者のサーバーに負荷を与える)
  • 不幸のメール(チェーンメール)
  • デマメール
  • 悪質なスクリプトが置かれたウェブページへのリンクのメール送信
 この他に、ウィルス付のメールなども実害を伴う迷惑メールの一種だといえます。
迷惑メールはなぜ送られてくるのか
迷惑メールの目的
 迷惑メールのほとんどは、商品やサービスの宣伝を目的とした広告・宣伝メールです。製品やサービスの売り込みばかりでなく、メールに書かれたURLから特定のホームページを訪れてもらうことが目的のものもあります。

 電子メールの送信費用は、郵便や宅配便と比較するとごくわずかで、何万、何十万通ものメールを簡単に送信できます。広告や宣伝をするために電子メールが利用されるのは、わずかな費用でたくさんの人へ案内ができるということが、大きな理由の1つです。

 しかし、広告・宣伝メールは、受信者の迷惑になり、企業のイメージを損なうおそれがあります。そうした心配をする一般的な企業は、受信する側に何らかの方法で確認をとってから、送信する方法をとっています。無差別に広告・宣伝メールを送信する企業は、営業上必要な場合を除けば、イメージの低下を覚悟せざるを得ません。
■用語解説:【オプトインとオプトアウト】
広告・宣伝などのメールを送るとき、まず何らかの方法で相手方の了承を得ることを「オプトイン」と言います。逆に、予め相手方の許可を得ず、送り付けてから相手方が拒絶の意思表示をした場合にだけ送信を止めるのを「オプトアウト」と言います。オプトアウトは、送りつけがあってはじめて拒否できること、また、拒否の意思表示のために相手方に連絡を取らなければならないなどの問題があります。広告/宣伝メールの一方的な送りつけはその送り主のイメージに関わることであり、電子メールを広告・宣伝に利用するには慎重な検討を要します。
メールアドレスはどこで知られてしまうのか
 メールアドレスの収集は、本人から入手する場合とそうでない場合があります。

 個人情報を提供する機会は日常数多くあります。例えば、次のような場合には自分から、氏名や住所、電話番号と共にメールアドレスを連絡先として提供しているとも考えられます。
  • 買い物や飲食店などで記入する「お得意様カード」
  • 商品購入時の顧客登録
  • 会員登録
  • イベントへの参加
  • アンケートの回答や懸賞への応募
 一方、本人の知らないうちに個人情報が収集されることもあります。これには次のような可能性があります。
  • 上記のような方法で収集した名簿が転売されたり、名簿業者の間で取引されたりする
  • 自分で作成したホームページや書き込んだ掲示板、参加したメーリングリストに掲載されているメールアドレスを特殊なソフトウェアなどによって収集されてしまう
 この他に、機械的に文字を組み合わせたり、辞書にある言葉を組み合わせたりしてあてずっぽうのメールアドレスを作成して配信する方法もあります。こうしたやり方は「ディクショナリアタック」ないしは、「辞書攻撃」と呼ばれます。特に携帯電話で、電話番号をそのままメールアドレスに使用している場合には、こうした方法でアドレスが推測されてしまうことが多いようです。

 これらの対策については、「迷惑メールへの対策:自己防衛に努める」を参照してください。
迷惑メールに対する規制
 現在、迷惑メールを規制する法律は2つあります。

 商品やサービスの宣伝を内容とするメールについては、「特定商取引に関する法律」に、また、特定電子メールを一時に多数の者に対して送信する場合には「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」で規制されています。これらの規制についてはそれぞれ付録で紹介します。