[ I ] 14:15-15:15
休憩 15:15-15:30
[ II ] 15:30-16:30
講演資料:

(1,695KB)
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迷惑メールへの根本的な対策 I & II
株式会社インターネットイニシアティブ 技術研究所 山本 和彦 氏
ウイルスに感染するなどの理由で乗っ取られたゾンビ PC からは、大
量の迷惑メールが送信されることがあり、深刻な社会問題となってい
ます。従来は迷惑メールをフィルタにより排除する対策が一般的でし
た。しかし出会い系サイトへの勧誘など、フィルタでは排除が困難な
迷惑メールが増加しています。また、ドメイン詐称を用いたフィッシ
ングは、企業のブランドイメージを著しく低下させる深刻な問題です。
このような問題の対策としては、フィルタのような対処療法だけでな
く、根本的に迷惑メールを出しにくくする基盤システムの構築が急務
の課題となっています。すなわち、ゾンビからの迷惑メール配信やド
メイン詐称を防止して、メールを追跡可能にする方法を確立すること
が望まれています。このセッションでは、配送(transfer) と投稿
(submission) の分離、ユーザ認証(SMTP AUTH)、動的IPの25 番ポート
のブロック、レート制御、ドメイン認証、およびドメインの格付け
(reputation) を取り上げ、最新の迷惑メール対策を包括的に説明しま
す。
核となるドメイン認証では、IPアドレス型である SPF と Sender ID、
電子署名型である DKIM について述べます。いずれにも長所短所があ
り、互いの短所を補う方法を紹介します。また、".jp" 以下のドメイ
ンにどの程度普及しているのか測定した結果も示します。
【講師略歴】
1998年、インターネットイニシアティブ入社。主に電子メールと
IPv6 の研究に従事。メールリーダ Mew の作者。WIDE プロジェクト・
ボードメンバー。監訳「PGP --- 暗号メールと電子署名 ---」。著書
「リスト遊び」
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