迷惑メール対策セミナー [仙台]
このセミナーは、【日本ソフトウェア科学会第22回大会】のチュートリアルとして実施します。


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プログラム(予定) : (プログラムは予定ですので、変更となる可能性がございます。)

13:00-14:00

 休憩 14:00-14:15

講演資料:
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(48KB)
迷惑メールの動向と法律
ニフティ株式会社
木村 孝 氏

携帯電話会社が1日のメール送信数の制限、URLのフィルタリングなど 段階的にメールに対する規制を強化した結果、2003年をピークと して携帯電話への迷惑メールは激減しました。現在はピーク時の数千 分の一程度です。現在では携帯電話から発信する迷惑メールも減少し、 もはや携帯電話から発信する迷惑メールは経済的に見合わないのでは ないかと推定されています。これに対し、2004年から迷惑メール の主流はPC向けとなりました。

初期の迷惑メールは通常のメールのようにISPのメールサーバーから送 信されるものが多かったのですがその後送信者は独自のメールサーバー を立てて、ISPのメールサーバーを経由せずに送信するようになりまし た。しかし昨年の夏ごろからはbotnetを使ったゾンビスパムが主流と なり、現在送られてくる迷惑メールのほと んどはゾンビスパムです。 国内ユーザーの2−2.5%がbotnetになっていると推定され、日本 のブロードバンドユーザーを2,000万契約とすると、40〜50万台のPCが 感染している計算になります。botnetのシステムは世界最大のグリッ ドコンピューターとも言われています。

ISPが迷惑メール対策として、キーワードや送信者名による迷惑メール ブロック機能、ベイジアンなどのフィルタリング、送信者評価情報に よるフィルタリング機能などが提供しています。しかしISPは電気通信 事業者として電気通信事業法という法律の規制を受けており、この法 律の下では通信の秘密の保護や検閲の禁止といった規定からフィルタ リングは利用者の同意がないと行うことはできないことになっていま す。また、差別的取り扱いの禁止も定めされており、迷惑メールにつ いてもISPは法的には受信者の元に届けなければならない義務があり、 利用者保護との間で苦労しています。

総務省よる規制としては、平成14年に特定電子メールの送信の適正 化等に関する法律(通称:特電法)が成立しました。これは世界でもっ とも早い迷惑メールの規制法でしたが、効果は不十分なものでした。 これが平成17年に改正されて強化され、効果が期待されています。 経済産業省による規制としては、平成14年に特定商取引に関する法 律(通称:特商法)でも迷惑メールの規制が行われ、平成16年に規 制が強化されました。これに基づき平成17年には逮捕者もでていま す。
【講師略歴】
1986年、ニフティ株式会社入社。パソコン通信サービスNIFTY-Serveの システム構築や海外ライセンス担当。企画部、事業計画部、コンテン ツ部、法務・海外部などの課長を経て2002年より業界団体や政府の情 報通信政策や制度への対応を担当。
[ I ] 14:15-15:15

 休憩 15:15-15:30

[ II ] 15:30-16:30

講演資料:
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(1,695KB)
迷惑メールへの根本的な対策 I & II
株式会社インターネットイニシアティブ 技術研究所
山本 和彦 氏

ウイルスに感染するなどの理由で乗っ取られたゾンビ PC からは、大 量の迷惑メールが送信されることがあり、深刻な社会問題となってい ます。従来は迷惑メールをフィルタにより排除する対策が一般的でし た。しかし出会い系サイトへの勧誘など、フィルタでは排除が困難な 迷惑メールが増加しています。また、ドメイン詐称を用いたフィッシ ングは、企業のブランドイメージを著しく低下させる深刻な問題です。 このような問題の対策としては、フィルタのような対処療法だけでな く、根本的に迷惑メールを出しにくくする基盤システムの構築が急務 の課題となっています。すなわち、ゾンビからの迷惑メール配信やド メイン詐称を防止して、メールを追跡可能にする方法を確立すること が望まれています。このセッションでは、配送(transfer) と投稿 (submission) の分離、ユーザ認証(SMTP AUTH)、動的IPの25 番ポート のブロック、レート制御、ドメイン認証、およびドメインの格付け (reputation) を取り上げ、最新の迷惑メール対策を包括的に説明しま す。

核となるドメイン認証では、IPアドレス型である SPF と Sender ID、 電子署名型である DKIM について述べます。いずれにも長所短所があ り、互いの短所を補う方法を紹介します。また、".jp" 以下のドメイ ンにどの程度普及しているのか測定した結果も示します。
【講師略歴】
1998年、インターネットイニシアティブ入社。主に電子メールと IPv6 の研究に従事。メールリーダ Mew の作者。WIDE プロジェクト・ ボードメンバー。監訳「PGP --- 暗号メールと電子署名 ---」。著書 「リスト遊び」


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