フィッシングなどの迷惑メールによる実害が大きな社会問題となっています。特に本年は証券会社をなりすますフィッシングメールにより、これまでより大きな規模の被害が発生しています。こうした事例は、また新たな手口の動機づけにもなるため、今後より厳しい対策が必要になってきます。これら不正行為は、近年 AI などのツールの性能向上により、内容だけでは本物と区別が難しくなってきています。対策する側としても、技術面の強化は必要ですが、制度面も含めた総合的な対策が必要になっていると感じます。
迷惑メール対策カンファレンスは、本年も JPAAWG 8th General Meeting との共催により、2025年11月4日と5日の2日間、高知市で開催します。国内のメール運用者やセキュリティ
技術者および研究者、国内の行政機関、海外特に JPAAWG と連携する M3AAWG の識者などが集まる、非常にユニークなカンファレンスとなっています。さらに、情報を受け取る場としてだけではなく、建設的な議論も歓迎しています。ORT (Open Round Table) もそうした取り組みの一つです。こうした特色が、参加者がインターネット上の様々な課題を継続して取り組むための、動機づけになればと考えています。
さらに今回は、昨年オンラインで登壇した Google 社が、現地に直接参加する予定となっています。M3AAWG の識者も含め、同時通訳を用意します。国内の状況のみならず、グローバルな視点からの状況共有や議論も、本カンファレンスの特徴となっています。
多くの皆様のご参加および積極的な議論を歓迎します。
迷惑メール対策委員会 委員長 櫻庭 秀次
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