「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」
受賞作品

④青少年のインターネット利用部門

gold最優秀 「答えはどこにあるの?」  大阪府 井上 美波


ボタンひとつ、コンマ数秒で世界の情報を教えてくれるインターネット。便利であり、恐怖であるがゆえ、誰もが使いこなしたいと様々なルールを実行しています。そして私にもルールが存在します。それは、『学びの答えをインターネットに頼らない』というルールです。

中学1年生の夏休み作文のテーマを『アイヌ文化』にしました。しかし、アイヌ文化について何も知らない私は、インターネットで調べてもよいか母に聞きました。

すると母は、 「じゃあ、『アイヌ文化 本』って入力してごらん。」と言いました。

言われる通りに入力し、エンターキーを押すと、アイヌ文化に関する資料、参考書類、歴史書物がいくつか表示されます。

「次は、そこに表示されている本のタイトルをメモして、町の図書館で探してみよう。」

そう言うと、なぜかそれ以上インターネットで調べることをせず、図書館で調べることを提案したのです。私は不思議に思いました。机の上には大きな世界図書館があるというのに、どうして町の図書館に行くのか。その疑問を聞くと、
「時間がないときにはインターネットで検索した情報で学べばいいけど、今は夏休みだから自分たちで学んでみよう。」
と楽しそうに言いました。

メモを手に壁のような本の中からアイヌの資料を探します。まるで宝探しであり、ゴールに導かれる迷路のようでもありました。全ての資料はないものの、それでも二冊貸し出してもらい、自宅で必死に読みました。難しい言葉が出てくると辞書を引き、インターネットで調べ、再び資料に戻ります。隣では母も一緒に読んでいます。そして、悪戦苦闘しながらも、楽しみながら書き上げた作文は、県大会で優秀賞を頂いたのです。

何もかも知っていて、何もかも教えてくれるインターネットは、現代知識の集合体として非常に便利なアイテムです。そして、この便利すぎるアイテムに私は甘えようとしていました。情報の答えとしてインターネットで調べる、黒板のままノートを書き写す、流れるままテレビを見続ける。これらも同じ甘えかもしれません。 だから私は提案します。インターネットは答えではなく、ヒントを教えてくれる大きな世界図書館です。ヒントの先にあるたくさんの答えは、与えてもらうのではなく、自分で探してこそ楽しいのではないでしょうか。自ら興味を持ち、飛び込んで得た答えこそ価値ある学びだと思います。

インターネットは広くて深い世界です。私たちがルールを持たずに勝手に歩けば、たちまち迷子になってしまうでしょう。だからこそ、一人ひとりがルールを作り、インターネットと正しく向き合わなければなりません。そしてルールを活かし、インターネットを活かし、自らを活かすことで無限の可能性が発見できます。そこには、私たちの知らない新しい未来が待っているはずだから。

さあ、インターネットにヒントを聞いてみましょう。

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