「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」
受賞作品

④青少年のインターネット利用部門

silver優秀 「インターネットも報告相談!私たちの決めたルール 」  千葉県 ありか


私の祖父はロト6詐欺に遭いました。私の年齢が上がるにつれ、祖父との関わりは薄れ、ほとんど会話をしなくなった今年の初めに起きた事件でした。詐欺の内容は、「指定の口座にお金を振り込めば、当選番号を教えます」という、ありきたりな、到底引っかかるとは思えないメールから始まりました。娘が出店をするお祝い金を出したいという思いもあり、祖父は詐欺だと気づかずに、メールで指定された口座にお金を振り込み続けました。そして、貯金が底をつきかけた時になって、漸く私の父に「お金を貸してくれ」と声を上げたのです。そこで事件は発覚しました。被害額は80万円にも及びました。

私はなぜ、祖父の異変に気付くことができなかったのか、自ら会話をしてこなかったのか、と自責の念に駆られました。もし私から何か声を掛けていれば、「こういうメールが送られてきた」と、教えてくれたかもしれない。もし、ああしていれば、こうしていれば、色々なことが頭を巡りました。後悔をしているのは、私の両親や姉も同じでした。

このロト6詐欺事件を機に、私たち家族はSNSやメール等で、おかしな内容が送られて来たら、一人で考えずに「報告」し、家族みんなで「相談」する、というルールを決めました。このルールを決めたことで祖父との会話量も増え、今まで以上に良い関係を築けるようになりました。

時間の流れとともに、家族と向き合うことを忘れていた私たちは、家族とルールを決めることで、家族と向き合うことや、自分たちの身を守るために安全にインターネットを利用する大切さを家族全体で認識することができました。

私は、今は家族から離れ、一人で暮らしていますが、母から頻繁にSNSアプリで、祖父が幸せそうに笑う写真や動画が送られてきます。インターネットは、言葉で伝えることが難しくても、メールやSNSを安全に使えば、離れていても幸せな時間を共有できる大切なツールです。人を騙すことや悲しませるようなことに使うのではなく、家族で決めたルールを守って、たくさんの人に「ありがとう」と言ってもらえるような使い方をしていきたいです。

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