nmda
インタラクティブ配信にかかる使用料(案)についてのご説明

1 ネットワークでの著作物利用に対する評価について

1-1 権利と利用行為

インタラクティブ配信にかかわる法的根拠は次とおりです。これらの支分権はそれぞれの一回毎の著作物利用行為に対して権利が生じることになります。

権利 利用行為
複製権サ−バ−と端末への著作物の蓄積
有線送信権
(来年からは、公衆送信権、自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む)
サ−バ−から端末へのデ−タ配信
(来年からはサ−バ−に著作物を、記録、変換、入力、加えることを含める)

1-2 利用形態

インタラクティブ配信では著作物を送信可能化したサーバーから端末までの経路が複雑であり、厳密に著作権法を適用すると送信可能化したサーバーからリクエストをおこなった端末に著作物が配信されるまでの間に、複数回の利用行為が行われる場合があると考えられます。

例えば、データのトラフィックを緩和するために用いられている数100MBのキャッシュ機能を持つプロキシサーバの導入によって、著作物を一時的に記憶しておくことになります。また、「Mbone」などのマルチキャストでは、ルーターが必要な数だけパケット(著作物)を複製して、それぞれリクエストをおこなった端末に著作物が配信されることになります。

技術が日進月歩で発達し、ますます配信過程が複雑化していくインタラクティブ配信で、権利者が著作物の利用者と利用行為を特定するのは困難な状況にあります。各支分権の一回毎の利用行為に対して許諾を行い、使用料を算出する方法は合理的・現実的ではありません。

そこでJASRACは、いわゆる伝送系メディアに対する基本的な使用料の考え方として、著作物の送信可能化から最終的な受信先への配信までの一連の支分権の働きの利用形態と考えることにしました。

複製権+有線送信権(公衆送信権(送信可能化を含む))=インタラクティブ配信

1-3 著作物利用に対する評価について

本規定案はインタラクティブ配信の中で利用される著作物の効果、すなわち、品揃えとして著作物の数量を基準に評価する部分(基本使用料)と実際の利用行為を捉えて情報料に対して評価する部分(利用単位使用料)の合算で利用形態全体を評価する 方式です。ですから、基本使用料が支分権のうち何権に当たり、利用単位使用料が何権に当たるということではありません。

  1. 基本使用料
    著作物が利用可能な状態で公衆に提示されている間、送信可能化された著作物は継続的に事業者にコントロールされています。こうした利用形態は、公衆への提示期間中、継続的に評価します。なお、基本使用料は1著作物毎に評価されますので、著作物数が増えれば、全体の基本使用料は増加していきます。

  2. 利用単位使用料
    伝送系事業者のリクエスト等から得られる収入から著作物利用を評価する利用単位使用料については、各事業者の課金方法に合わせた収入率となるよう、情報料収入の百分比による規定としました。しかし、著作者は各事業者の情報料の価格決定に関与できず、情報料が下がれば下がるほど得られる収入がゼロに近づいてしまうような不安定な環境に甘んじることになります。また、薄利多売方式で著作物を販売した場合に、利用全体の収入は一時的には増加するかも知れませんが、個々の著作物で見たときに使用料が増えるのは一部の著作物に限られるからです。これは、CDやオンラインMIDIの販売において、全体の販売枚数に対する一部の新譜の割合が7割以上を占めていることから、それ以外の著作物に関しては使用料が実質的に減ることになります。また、販売実績の大きい一部の新譜についても、いずれ旧譜になり販売数が減っていくことになり、結局長いスパンで判断すると、個々の著作物使用料は減少することになります。

    そこで、著作物の利用を権利者の立場から適正に評価するために、情報料収入の百分比による方式の他に、著作者の収入の最低保障として1著作物1リクエストあたりの下支えをおきました。なお、MCPSやその他の規定を作成中の管理団体がこの考え方を採用しております。

    これら品揃えとしての利用とリクエストによる利用のいずれをも評価してはじめて、複数の支分権が複合的に働く利用形態に則した規定であると考えます。
インタラクティブ配信にかかる支分権の評価=基本使用料+利用単位使用料

2 規定の具体的内容

2-1 まえがき部分について

既に規定のある業務用通信カラオケと、業務用通信カラオケとの関連が深い株式会社京セラマルチメディアコーポレーションの行う家庭用通信カラオケと、取り扱いを区別するために、
(1)カラオケの歌唱を主な目的とした専用の端末機械を用いたシステムを除き
(2)主として家庭内利用を目的する、といたしました。


2-2 基本使用料

(1)については、包括的利用許諾契約を結ぶことを条件に、一定範囲の著作物数により包括的な定額の使用料を定める方式を採用しました。

  1. 月額使用料は著作物数で評価
    著作物オンライン販売やインターネットでの音楽利用の実態は、データベースに登録している著作物の大半がJASRACの管理楽曲である業務用・家庭用通信カラオケとは異なり、クラシックの著作物だけで構成されたオンライン販売や、インディーズ系の著作物など、JASRACが管理しない著作物の利用も多いと認識しています。従って、業務用・家庭用通信カラオケで適用した「コード数」ではなく「著作物数」を単位としました。この場合、1曲毎に計算する利用数により下表のとおり減額することにしました。
月間利用可能著作物数 月額使用料 減額率
500 曲まで 50,000 円 50%
1,000 曲まで 100,000 円 50%
2,000 曲まで 200,000 円 50%
3,000 曲まで 300,000 円 50%
4,000 曲まで 400,000 円 50%
5,000 曲まで 600,000 円 40%
6,000 曲まで 800,000 円 33%
7,000 曲まで 1,000,000 円 29%
8,000 曲まで 1,200,000 円 25%
9,000 曲まで 1,400,000 円 22%
10,000 曲まで 1,600,000 円 20%
12,000 曲まで 1,800,000 円 25%
14,000 曲まで 2,000,000 円 29%
16,000 曲まで 2,200,000 円 31%
18,000 曲まで 2,400,000 円 33%
20,000 曲まで 2,600,000 円 35%
20,000 曲を超える場合
2,000曲までを増すごとに加算する額
200,000 円 50%
なお、このためひとつの著作物に複数の著作物を利用しているメドレー曲などについては、収録されている1著作物単位で著作物数を数えることになります。

  1. 著作物数が少ない場合を考慮
    「なお、著作物数が250曲未満の場合の月額使用料は、著作物数に100円を乗じて得た額とすることができる。」につきましては、業務用・家庭用通信カラオケとは違い、利用される著作物数が数十曲しかない利用実態も数多くあることから新たに設けました。

2-3 利用単位使用料

  1. 情報料の10/100と定額収入の合算の評価

    1-1)料率が10/100である理由
    既存の使用料率はあくまでも1つの支分権(放送権や複製権)に限る使用料であり、今回のような1つの利用形態で複製権や有線送信権が複合的に働く利用形態に対する料率ではありません。しかも、この伝送系事業の使用料は、基本使用料と利用単位使用料の合算額によって、その利用形態の中で働く複製権や有線送信権を包括的に評価するものであり、従来の1支分権に対して1使用料という関係とは根本的に考え方が異なります。さらに、諸外国の同一の利用形態に適用されている料率のバランスにも配慮したうえで、情報料の10/100としました。
    因みに現行使用料規定の1支分権としての料率としては、出版の規定で定価の10/100の事例がありますし、伝送系事業に対する使用料率は伝送系事業収入全体に乗じるのではなく情報料(定義は各規定案参照)収入だけに乗じることとしています。

    1-2)定額収入の評価
    リクエスト当たりの情報料の他に、受信先から得られる収入(月額、年額等の定額の収入)を得ている場合についても、その額の10/100の額を限度として評価の対象としました。リクエストあたりの情報料を押さえて、会費などの名目による収入に頼る場合を想定しています。

    使用料を具体的に示しますと

    1曲150円、リクエスト4回、会費1,500円/月の場合

    (ア)150円×10/100×4=60円

    (イ)この60円が月額1,500円の10%になるまでは(ア)と同額

       つまり、この場合は60円+60円で合計120円が利用単位使用料となります。

  2. 1著作物1リクエスト10円に月間の総リクエスト回数を乗じた額
    現在のインタラクティブ配信の情報料の傾向を見ますと、全体に利用できる著作物数は各事業者(特にオンライン販売の場合)ごとに増える一方であるにもかかわらず、リクエスト回数の増加が直接利益増加につながるので、その増加に応じて顧客サービスのために、情報料の額は固定化、あるいは下落する傾向にあります。情報料に対する定率方式一本の規定の場合、同じ情報料収入に対する使用料はいつも同じですから、当該インタラクティブ配信で利用できる曲が増えれば増えるほど、1著作物当たりの単価は小さくなるばかりです。

    このように情報料が一定又は下落する状況を権利者の立場から適正に評価するために、定率方式以外に、著作者の収入の最低保障として1著作物1リクエスト10円の下支えをおきました。なお、10円としたのは、支分権の集合体としての評価なので、単一の類似した利用形態(例えば録音物を複製する場合)の使用料を下回らない額であり、また利用実態の殆どの事例は(1)の規定が適用となることを想定したためです。

参考資料

日本における録音使用料 (詳細はこちらを参照

録音物の定価 利用形態 録音使用料
定価がある場合 音声 定価の6%または、1曲1回5分まで8.1円
(運用は6.1円)
可視的を含む 定価の6%または、1曲1回5分まで9円
定価が無い場合 音声 1曲1回5分まで8.1円
(最低400円から)
可視的を含む 1曲1回5分まで11円
(最低400円から)

主要国の状況 (詳細はこちらを参照

団体名 ダウンロード使用料 その他
MCPS
(イギリス)
定価の10%または6ペンス(約10.4円) MIDI販売の場合(パッケージ)は
小売価格の17.5%
HFA
(アメリカ)
使用料は1回の利用(ダウンロード)
につき6.95セント(約8.6円)
 

2-4 インタラクティブ配信の備考

[著作物]

  1. 包括的利用許諾契約を結ぶ場合である1(1)と2(1)を適用する場合は、歌詞、楽曲、又は歌詞を伴う楽曲のいずれも1著作物とすることとしました。これは、現在普及しているカラオケ歌唱用の著作物データ形式において、歌詞と音声が1つのデータとしてまとまっている形式と、歌詞と音声データが個々のデータとして分離し、制御コマンド(ファイル)で歌詞と音声を同調させる形式があり、著作物の利用効果としては両者とも同一のものでありながらデータ形式が違う理由で取り扱いを別にするのは合理的ではないからです。
    なお、歌詞、楽曲、又は歌詞を伴う楽曲のそれぞれの利用形態における著作物の管理方法は下表のとおりです。

利用形態

管理方法

 詞・曲ともに使用 

詞・曲いずれかがJASRAC管理であれば1著作物

曲のみ使用

曲がJASRAC管理であれば1著作物

詞のみ使用

詞がJASRAC管理であれば1著作物

[基本使用料]

  1. 月間利用可能著作物の定義を行いました。本文のなお書き以下は、同一著作物でも、受信する機種・データのバージョン・音質の異なる形で複数のファイルを用意してインタラクティブ配信することがあるため、この場合は別々の著作物として取り扱うことを意味します。

  2. インタラクティブ配信がまだ事業として定着しておらず、特に著作物のオンライン販売の多くの事業者が少ないリクエスト回数で事業をしているという実態に配慮した備考です。新規参入など事業が軌道に乗るまでの間、基本使用料の負担軽減措置として、月間のリクエスト回数数が少なく、利用単位使用料の額が基本使用料の額を下回ってしまう場合はこの備考の適用によって、全体の使用料に対する基本使用料の割合は20%を超えることはありません。

    具体的に例を示しますと、
    (利用可能著作物数が5,000曲=基本使用料600,000円、利用単位使用料が400,000円の場合)

    本来であれば、月額使用料は
    600,000円(月額基本使用料)+400,000円(月額利用単位使用料)=1,00,000円
    になりますが、

    この備考が適用されますと、月額基本使用料は
    400,000円×25/100=100,000円になります。

    従って月額使用料は
    400,000円(月額基本使用料)+100,000円(月額利用単位使用料)=500,000円になります。

[利用単位使用料]

  1. 1リクエストあたりの情報料が判るように定義しました。

  2. (ア)はユーザーに配信するデータ形式が多様化している利用実態を考慮し、受信先において当該著作物の利用可能な期間、回数に制限がある場合は2(1)2について減額措置を行う備考です。
    販売価格はダウンロード方式の場合は高く、レンタル方式(ダウンロードしてから数日の間は利用可能である)、ストリーム方式の場合は安いなど、それぞれのデータ形式を反映したものになっているのが実態ですので1リクエスト当たりの定率制の規定であれば、それぞれの形式の差は使用料の差に反映されます。
    これを受けて1著作物1リクエスト10円の場合についても利用期間、利用回数の制限を考慮するため、貸与の使用料がLP1枚レンタル1回当たり50円であることから、レンタル方式の場合は50/100に、ストリーム方式の場合は30/100にそれぞれ減額しました。

    (イ)はインタラクティブ配信が事業として軌道に乗るまでのさらなる配慮として、備考3の他に減額措置が必要であるという要望があれば、本備考の形で適用することを検討いたします。
    このためには、各事業者から利用実態を検証する具体的なデータを予め提出いただかなければなりません。その上で、本備考を設けるか否か、設けるとすればリクエスト回数を何回とするかについて検討し、あらためて提示します。

[ホームページ]

  1. ホームページで、非営利団体や個人が営利を目的とせず、かつ情報料を得ずに利用する場合、その他送信先から情報料を得ずに利用する場合、著作物のプロモーションとして利用する場合(この場合は情報料の有無にかかわらず)に限定した月額利用単位使用料の備考です。
    著作物販売を除くホームページでのアクセスログの履歴を、全ての利用者から得ることは、ISPのサービス内容が統一されていないこともあり、事実上困難であると考えています。従って、アクセスログの履歴の提供や信憑性が確立されるまでの間、1著作物あたりの定額制を採用することとしました。
    使用料は個人と企業のホームページの一般的なアクセス数の違いを配慮して、2(1)に基づき検討し、定めました。 また、当該著作物の作詞・作曲家・音楽出版社、及び当該録音物の製作者・CD販売会社など利害関係者が、著作物や複製物の販売・貸与を目的として試聴させる(著作物のプロモーション映画を含む)など、著作物の利用の促進を目的として利用する場合にも配慮しました。具体的には

    (1)当該著作物の作詞・作曲家・音楽出版社
    (2)当該著作物を具体的に表現した録音物に責任を有する主要もしくは中心的アーティスト
    (3)当該著作物を具体的に表現した録音物に責任を有するレコード会社
    (4)当該著作物の通信販売などを行っている販売会社に適用されます。

    なお、配信するデータ形式が多様化している利用実態を考慮し、受信先において当該著作物の利用可能な期間、回数に制限がある場合は備考5(ア)が適用されます。

[電子会議室等]

  1. 電子会議室・電子掲示板等で、著作物の歌詞などを可視的に利用する場合に限定した利用単位使用料の備考です。
    現在の電子会議室等での著作物の利用は、その著作物あたりのリクエスト回数の把握が難しいことから、1電子会議室あたりの月額定額制を採用しました。利用単位使用料はリクエスト回数に配慮して2(1)に基づき定めました。
    なお、月額基本使用料は1(1)及び備考3にかかわらず、それぞれの月額利用単位使用料の25/100といたします。

[インターネット中継等]

  1. 現在の放送に類似する利用形態の備考です。
    インターネット・ラジオやインターネット・テレビなどと呼ばれているインターネット中継等は、現行の放送とは明らかに違い、必ず公衆の求め=リクエストに応じて初めて同一の内容がサーバーからリクエストを行った公衆に配信されます。
    従って複製権・有線送信権が複合的に働く、インタラクティブ配信と理解されますが、受信側で配信を受ける番組の中に含まれている著作物を予想できても好きなときに選択する自由が無いものです。しかも、利用される曲は日々異なることが常態であり、このような利用方法の場合、公衆への提示期間中、著作物毎に継続的に評価する基本使用料の考え方は相当しにくいと考えます。
    そこで、この備考に該当する利用方法の場合は、基本使用料と利用単位使用料に分けずに、1つの使用料で評価することとしました。

    JASRACでは、現在のインターネット中継には2つの種類があると考えています。
    一つ目は、ある時点でリクエストした全ての公衆に対して、同じ内容のものが同時に配信される方式(リニア方式)、つまり連続した番組について、リクエストを受けた時点の内容から配信する方式。
    二つ目は、リクエストした公衆に対して、同じ内容のものが配信される方式(オンデマンド方式)、つまりリクエストを受けた時点で連続した番組を始めから配信する方式です。
    後者については、リクエストが著作物毎に対応していれば、著作物のオンライン販売等と方式は同じですが、この備考で取り扱うものは番組の部分として著作物を利用するものであって、必ずしもその配信される内容が著作物だけで構成されたものでなかったり、たとえ著作物だけで構成されたものであっても、その収録されている全ての著作物の視聴を強要するものでもありません。このような利用形態に対する取り扱いを本規定とは分けて定めたものです。

    使用料については、インターネット中継の利用実態はインタラクティブ配信とはいえ、現行の放送と類似しているので、両者に対する使用料の考え方に一定の整合性がとれるよう配慮することとし、放送と放送用録音の包括使用料や諸外国の料率を検証したうえで定めました。

100,000世帯当たりに換算した放送使用料・録音使用料の合計

  1日の放送時間 月額使用料(30.4日) 1日あたりの使用料
民放 1時間まで 11,588.5円 381.2円
6時間まで 69,530.9円 2,287.2円
24時間まで 278,123.5円 9,148.8円

NHK
1時間まで 3,417.0円 112.4円
6時間まで 20,501.8円 674.4円
24時間まで 82,007.0円 2,697.6円
  • 使用料の算出基準は、事業者のWEBサイトの運営によって得られる収入に応じて決まる方式、又は配信可能な総延べ時間から算出する算定単位時間と会員制の場合は会員の人数の両方で決まる方式を設けました。

  • WEBサイトは従前の放送のようなチャンネルという概念では捕らえにくいものですから、チャンネルに代わるもとして、番組毎の延べ配信可能時間の合計から算出する算定単位時間という単位で評価するのが合理的であると考えました。
    延べ配信可能時間とは、1日平均のWEBサイトで利用される著作物を含む配信可能な全てのファイル等が圧縮されずに通常のスピードで視聴される時間を指します。ここで、配信される番組の内容によって著作物の寄与度が異なるので、使用料に差異を設ける必要性があることから、この延べ配信可能時間に次のバリューを持たせることで算定単位時間を算出する方式としました。

    1. 配信される内容が音楽専門の場合には2倍に、かつオンデマンド配信のときは4倍に
    2. ンデマンド方式の場合は、リニア形式と比較した時、理論上24時間配信可能な状態であることから2倍になります。
    3. 配信される時間を自由に選べないことを除くと、ストリーム形式の著作物のオンライン販売に近い形態であることからバリューは2.5倍になります。

  • 使用料は、インターネット中継が継続的に行われるものと期間限定でおこなわれるものがありますので、月額使用料と1日あたりの使用料の2種類を設定しました。

  • 使用料の算出にあたっては、誰でもリクエスト可能なインターネット中継の場合は受信する端末数を特定できませんので、アクセス回数を考慮し、25,000世帯に対する放送時間によって算出される放送使用料と放送用録音の使用料の合計を基準としました。しかし、会員制など受信可能な人数がわかる場合については、受信できる人数が著作物利用の規模と表し得るので使用料を決める要素の一つとしました。

[その他]

  1. 企業や商品の広告を目的に著作物を利用する場合の備考です。著作者人格権に触れる場合がありますので、現行のテレビ・ラジオでの広告目的の利用と同様に、著作者等の事前の同意を得ることを必要条件としました。また、「1で算出される使用料の額の他に別途協議のうえ定めることができる」としたのは、同様の利用形態における業界の慣例に配慮したものです。

  2. インタラクティブ配信については、日進月歩の技術革新に伴い、今後も様々な利用形態の出現が想定されます。そのような利用形態について、できる限り迅速に対応するために設けた備考です。新しい利用形態が現れるまでには、音楽著作権に関するルール作りが完了しているような関係作りを業界と協力して築きたいと考えています。


back

E-mail address nmrc@iajapan.org

Copyright 2002, NMRC. All right reserved.