まえがき(教師・保護者版)

今日、社会のさまざまな分野で急速に情報化が進んでいます。このような社会の情報化に対応するために、教育の分野でも積極的に情報教育に取り組んでいます。学習指導要領の改定により、初等中等教育においても、積極的にコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を教育活動に取り入れるようになりました。2003年には高等学校に普通教科「情報」が誕生し、それにともない、初等教育からの体系的な情報教育が本格的に取り組まれるようになるでしょう。

しかし、情報化には「光」と「影」があります。子供たちが情報手段を利用する場合には、できるかぎりこの「影」の影響から子供を守ってやらなければなりません。そのために、子供でも読めるような表現を用いて、この子供のためのルールとマナー集を作成しました。けれども、子供は好奇心旺盛なので、大人が目をはなせばすぐに、ルールやマナーを守らず「影」の部分へも踏み込んでしまうでしょう。そこで、子供たちができるかぎり自由にインターネットを体験できるように、大人側が気を付けてあげるべきことをまとめてみました。

インターネットを使う上でのマナーは、基本的に2つあります。1つ目は「相手を思いやること」です。ネットの先にいるのは自分と同じ人間であることを、常に意識させてください。どのように振る舞えば、ネットの先の相手に迷惑をかけないか、不快な気分にさせないか、こう考えれば、マナーは自然と理解できるはずです。2つ目は「自分の身は自分で守る」ことです。インターネットに潜んでいる危険からは、自分で自分の身を守るしかないのです。しかし、子供は「自分で自分の身を守る」ことができません。そこで、大人が常に子供の活動に目を配り、トラブルや危険から子供を守ってあげるようにしましょう。

この子供のためのルールとマナー集(教師・保護者版)は、この2つの基本をベースに、子供がインターネットを利用する際に、大人が気を付けるべきことをまとめたものです。子供版(色がついているページが子供版)のそれぞれの項目に対応させて、特に、子供を指導するという観点から重要な点を記述しました。子供には、子供版のルールとマナー集を与え、子供が何か疑問に思ったことやわからないことを質問してきたら、教師&保護者版を参照して、子供の質問に答えてあげてください。また、この教師&保護者版は、子供を指導する、という観点で作られていますので、一般的なルールとマナーについては、一般用のルールとマナー集を参照するとよいでしょう。


本文へ
子供版へ