「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」
受賞作品

③親子ルール作り部門

silver優秀 「1日10通のLINE」  千葉県 たぁくん400


中学1年生から中学3年生まで私は父と話しませんでした。思春期だったこともあり父が仕事で家に帰ってくる時にはもう家にいないことが多かったからです。話さないうちに父との距離はどんどん離れていき、話さないのが当たり前なのかと思っていました。

中学3年の時、私と父はガラパゴス携帯からスマートフォンに機種変更をしにauショップに行きました。向かっている最中も、お店の中でも一言もしゃべらなかったのを今でも覚えています。ガラパゴス携帯とは全然違う機能で最初は戸惑いましたが、慣れてくるとスマートフォンが楽しくなっていきました。

そんな時友達にメールよりもLINEのほうがいいと言われ、早速アプリを取ることになりました。すごく便利な機能で既読が付くことがまるでずっと側で話している感じがしました。LINEをしていると、友達追加のところに父がいました。父の電話番号は持っていました。何気なくLINEを送ってみました。ちょっと緊張したけど、直接よりかは緊張しませんでした。数分後LINEが返ってきました。LINEが続くようになり、直接では話さないがLINEだと些細なことまで話すようになりました。それから私なりに自分独自のルールで父とはLINEで1日10通はやりとりをするというルールを作りました。

ある日のこと、友達と夜遊んでいた時でした。LINEのメッセージが届き、見てみると父からでした。夜ご飯の誘いでしたが、私はもう友達と夜飯は済ましていました。父にもう食べたと伝えようとした時、私の中で何かが変わったのを覚えています。友達にもう帰ると伝え、自転車で急いで家に帰りました。帰って玄関を開けると、そこには父がいました。「おかえり」と言われたので、不意に「ただいま」と話してしまいました。「飯食べたか?」と聞かれたので「まだ」と言い近くのびっくりドンキーへ行ったのを覚えています。

そこから車の中でも前とは比べものにならないくらい会話が続きました。父はLINEと少し口調が違かったりして父といて初めて楽しいと感じました。私はLINEでたった10通しかやりとりをしていなかったけど、その10通は私にとってとても大切なやりとりだと感じました。

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