インターネットの普及と共に、電子メールがコミュニケーション手段の一つとして広く使われるようになりました。その一方で、迷惑メールの問題は、メールの受信者が迷惑に感じるというだけでなく、メールに関わる様々な分野にまで深刻な影響を与える重大な社会問題となっています。

携帯電話とブロードバンド・ネットワークという、二つの点で世界的にも先進的なネットワーク市場を持つ日本においては、迷惑メール対策に関してもこれまで先進的な取り組みが行われてきました。

今回のセミナーでは、サイバー関西プロジェクトから電子メール技術に精通されている中村素典氏(国立情報学研究所教授)をお招きして迷惑メール問題の近況を概括いただいた上で、(財)インターネット協会の迷惑メール対策委員会の委員も務める山井成良氏(岡山大学教授)による迷惑メール対策の概要解説を行 います。また、同委員会の委員でもあり、JEAG(Japan Email Anti-Abuse Group)のメンバーでもある櫻庭秀次氏(株式会社インターネットイニシアティブ)から、よりよき電子メール環境の実現に向けた、今後の技術的な取り組みの方向性を 示します。