「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」
受賞作品

②トラブル克服部門

silver優秀 「依存症と自分を見つめ直す大切さ」  東京都 常田亘


僕がスマートフォンを買ってもらったのは、中学一年生の頃でした。第一志望の私立中学校に合格したら買って貰う約束を母としていて、勉強を一生懸命やり、合格することができたのでついに念願のスマートフォンを買ってもらえたのです。その際母は、僕に使い方に関するルールを課しました。それは次のようなものでした。

1、夜9時には使用をやめ、リビングに置くこと。
2、食事中にはしないこと。
3、テストで全教科平均70点以上をキープすること。

また、このルールを破ったら即、取り上げると言う条件でした。この3つのルールを最初、僕はスマートフォンを買ってもらった嬉しさもあり、すぐにOKしました。もちろん最初はルールを守っていましたし、そこまで厳しいルールではないと感じていました。しかし、ある日SNSアプリのラインを始めた頃から少し状況が変わり始めました。友達とラインで話しているとみんなは夜遅くまで話しているのに僕だけ9時までしか出来ず、仲間外れになった気分でした。そのせいか、9時を過ぎても、だんだん10分、20分と利用時間が増えていきました。さらに、スマートフォンの魅力の一つである、ゲームも夢中になってやりました。オンラインで友達と協力プレイをしたり、対戦をしたりして、それが楽しくて仕方なかったのです。勉強中もゲームのことが頭に浮かび、勉強をしようと思ってもすぐにゲームをしてしまうようになりました。ついには夜11時くらいまでやるようになり、睡眠不足で授業に集中できず、もちろん成績も下がっていきました。これにより、母と交わしたルールの3つのうち2つをやぶってしまう形になってしまい、ついに母に取り上げられてしまいました。僕にとっていつの間にか生活に欠かせない道具になっていたものがいきなり取り上げられてしまったので、とても辛かったです。結局取り上げられても勉強をやろうという気にはなれず、辛い日常を送るだけでした。

しかしある日、それは一変しました。僕の学校では社会の授業で自分の決めたテーマでレポートを中学の3年間を通して書くという授業をやっていてそのレポートを書くためにテーマに関係する人に取材をしなければいけなかったので一年生初期からやっていたスマートフォンの問題点について関係者の方に取材をしたところ、僕のスマートフォン使い方が、ネット依存症の症状ととても似ていることがわかったのです。また、対処法も、少しずつ利用時間を減らしていく方法や、他に熱中できることを見つける方法など様々でとても興味を持ちました。そして、調べていくうちに自分を見つめ直すことができ、スマートフォンがなくても普通に生活できるようになりました。今では、スマートフォンも返してもらい、利用時間は前と比べてとても少なくなりました。そして、最近ではスマートフォンやネットの問題点について、卒業論文に向けてエンジェルアイズの遠藤さんなど関係各所に取材をしています。

依存症は自覚症状がないのがほとんどです。「自分に限ってそんなこと有り得ない」と思っている人が多いからです。そのような人たちは自分が今どんな使い方をしていてそれのどこに問題点があるのかをしっかりと自覚することが大切です。きっかけは人それぞれでも、自分を見つめ直すことって、とても大切だなと思います。


結果発表ページに戻る


ホームページに戻る
Copyright (C) Internet Association Japan