賞 |
タイトル |
お名前 |
都道府県 性別/年齢 |
選評 |
最優秀
 |
きっかけ |
緑亀 |
神奈川県 女性/32歳 |
内向的で人と話すのが苦手な10歳離れた妹のために、著者がインターネットの力を借りてみる。アバターという自分の分身を使ってネット上で交流ができるSNSで、妹のアバターを作成してあげたところ、妹はすぐに夢中になった。そして、ネット上でなら冗談を言えるくらい饒舌になり友達が出来、ついには直接人と会う「オフ会」に参加するまでに。
その後、妹は自分で接客業という驚きの仕事に就くまでになり、今でも働き続けている。インターネットの世界から実社会へもつないでいったミラクルチェンジ。妹思いの姉の努力が実ったほのぼのとさせる傑作である。 |
優秀
 |
壮年学習と インターネット |
源ちゃん |
神奈川県 男性/64歳 |
50年程前、インターネットがなかった青少年時代とインターネットがある現在の時代を比較して感慨にふける。昔は身体を使って集めた情報を駆使して行う伝書鳩の飼育・レースをして仲間と楽しんでいたが、今はインターネットを使って海外などから優秀な鳩を個人輸入することに活用する仲間もいる。著者自身は、重い病気にかかった妻のためにインターネットで病気の体験談や詳しい病状を調べたり、地域の郷土史を調べたりして、いろいろな発見をする。インターネットは使い手しだいで楽しめるもの、と人生を謳歌したいと綴る。前向きな考え方がとても参考になる。
|
優秀
 |
We are the world |
夢眠 (ムーミン) |
大分県 男性/64歳 |
著者は1種1級の障害者でありながら、無謀な一人旅をする。韓国行きの船でたまたま隣に座った韓国の女性と知り合ったことがきっかけに、どんどんと行動が膨らむ。彼女が持っていたスマートフォンの翻訳機能のおかげでコミュニケーションがはじまり、会話ができるようになった。日本へ帰国後は、写真アルバムを作ろうと奮闘する。もともとパソコンにストレスがあったが、彼女のためにアルバムを作らなければと思えば頑張れた。また、動画で中国語を勉強するなど、障害者・高齢者がインターネットとパソコンを貴重な存在として活用している幸福感が伝わってくる。
|
優秀
 |
震災時のSNS |
佐藤クウキ |
千葉県 男性/20歳 |
著者が15歳の時、仙台市で東日本大震災にあった。多くの人がテレビを見ることができなかったので、情報が錯綜し大混乱に。このような非常事態に活躍したのが携帯電話とSNS。ネットの書き込みを見た多くの若いボランティアが人手不足の現場にすぐに集まり、テント設営等に協力してくれた。逆に、混雑時にはメールがつながらないが、今度は公衆電話が活躍する。震災がきっかけでLINEの既読チェック機能が付き、生存が確認できる。今となっては、その既読機能に悩まされる人も多いと聞くが、災害時には役に立つ機能が盛りだくさんだ。実体験からにじみ出てきたSNSのプラスの活用方法である。
|
優秀
 |
手のひらの上の ふるさと |
Y junior |
兵庫県 女性/39歳 |
家事と子育てと仕事におわれる毎日を過ごす著者が、突然、25年ぶりに元中学校の同級生とSNSで交流がはじまった。子どもを寝かしつけた後にひと息つく夜、旧友たちの会話に頬がゆるんだり、投稿写真に腹を抱えたりと。中学生時代は耳の不自由な同級生と筆記で会話をすることがもどかしかったのに、今ではみなで会話を共有できる。携帯電話を操作しながら、表情豊かに身体を動かしていて、コミュニケーションのあり方をぐるりと変えてくれた、これは救世主、革命児と呼んでもよいかもと言う。最後の一文、子どもたちへの思いを伝えているところは、母親たちはじーんと共感することだろう。
|
優秀
 |
インターネットで つながる世界 |
バンドマン |
茨城県 男性/18歳 |
著者は中学3年の冬からギターをはじめた。2年後、ある程度弾けるようになり始めた頃、自分の演奏を見てほしいと思いネットの動画投稿サイトに演奏動画を載せる。自分以外にも様々なギター演奏者がいて、一緒に演奏することが出来たらどれだけ楽しくて刺激的かとワクワクしていた。そこで、SNSを使い連絡をとってみて、住んでいるところはバラバラでも一緒にリアルタイムで演奏することができた。いろいろな人たちと関わることで自分の考えや価値観など人としての成長も出来ると思うまでになる。一気に目の前を広げていった著者の楽しさがずんずん伝わってくる。
|
優秀
 |
SNSでの情報収集 |
海老 |
茨城県 女性/20歳 |
(補足:2015年9月の関東・東北豪雨鬼怒川洪水の出来事のことである)
その日は体験したこともないような大雨。著者は、朝、茨城県から東京都へ向かう電車の中で地元や近隣の地域の天気のことが気になりだす。電車内でテレビを見ることができなかったので、Twitterなどで地元情報を確認する。避難指示や大雨洪水警報が出ていたものの、はじめは大丈夫だろうと思っていたが、午後には堤防決壊を知る。友人と家族の確認をLINEで取れた。夕方には、帰宅する時にどの橋が通行可能なのかをTwitterで知った。災害時にTwitterとLINEを情報源にして、不安にならずに地元の正確な状況を知ることができたことが心強い。
|
優秀
 |
私の家族と インターネット |
留学生 |
スリランカ 男性/25歳 |
著者は、海外から留学のため来日し、家族と離れて2年半になる。寂しいけれど、スカイプ等で家族とやりとりすることが、楽しい、嬉しい、と素直な気持ちが書かれていて、ほのぼのする手記。「インターネットがなかったら2年半のうち何回も国に帰ることになったかもしれない」と語るところは、日本から海外へ留学したり、単身赴任をしたりする皆さまにも見てもらいたい。自国へ帰国された後も、ぜひ日本とつなぎ続けてほしいと思わせる。
|