「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」
受賞作品

①使いこなし部門

silver優秀 「We are the world」  大分県 夢眠(ムーミン)


「憧れの釜山航路」

image01 たまたま隣に座った釜山の女子大生とfacebookを始め一年間で1800通以上のメッセージの交換をした。ネット上だけでなく、手紙や物を送ったり、送ってもらったりした。という内容をこの欄で紹介した。今回はまず、その続きを報告する。

メールを交換していた私は、ついに昨年の11月1日から2泊3日で釜山に出かけた。私は人工透析を受けて一種一級の障害者手帳を持っている。韓国語もしゃべれないのに一人旅をするというのは、今考えれば、無謀な旅であった。

彼女は港に黄色い紙を持って迎えに来てくれた。お互い相手の言葉がわからない。それでも、意志疎通ができたのは、彼女の持っているスマートフォンの翻訳機能のおかげだ。最初彼女は自分の大学に連れて行ってくれた。美術大学だけあって、建物がユニークなデザインをしていた。 image02

ほぼ毎日メールを交換していたせいだろう。本当に毎日あっていた様な気軽さがあった。夢のような2泊3日の旅であった。日本に帰って写真をいかにすればうまく活用できるか調べてみた。

するとフォトブックがインターネット上で作れることがわかった。およそ50枚近いある写真を本 にして送料や各種手数料をいれても500円弱でできあがった。「憧れのフザン航路」と題したこのアルバムを 2冊作り、彼女にも送ったことはいうまでもない。

"We are the world"

Facebookは私に旅の面白さも変えた。観光中心の旅から人と触れ会う旅の醍醐味を教えてくれた。そしてこの1年の間に多くの韓国の友人もできた。「一人でも行動できる」ということに自信を持った私は今年も、10月後半には飛行機を使いソウルに一人旅に出ることにした。残念なことに彼女自身は来ることが出来なかった。しかし、今回迎えてくれたのは韓国在住の日本人、韓国人、ギリシャ人の3人の人達だった。私達4人は初対面の人もいた。しかし、そうは思えないほどの親しさを持った。日本人の友人は空港まで来てくれ、韓国人女性はセンスの良い服を選んでくれ、てきぱきと指示してくれた。ギリシア人女性は別れ際にハグをしてくれ、私は目を白黒させた。3人は韓国とはいうものの、全員別々の場所に住んで、なかなか会う機会が少ないという。彼女たちは「カカオトーク」という、韓国版ラインやfacebookの通信手段を使っていた。今年も昨年以上に変化とインパクトにとんだ旅であった。
今年もフォトブックを作るため、みんなが撮った写真を集めた。"We are the world"と、タイトルも決まり、その作業中である。このfacebookに導かれた2回の一人旅は、私に生きていくことの自信と活力も与えてくれた。

「3Dモデリング」

image03 旅行以外でのインターネットの使い方も述べたい。 盲学校に在職経験がある私はそれまでも、3D印刷に興味を持っていた。そして今年、自分でモデリングをおよそ1ヶ月かけて作った。本来パソコンは私にとってストレスでしかなかった。しかしそれを越えて作ることができ、それが生き甲斐にまでなっていったのは海を越えての応援があったからにほかならない。
アルバム作りや3Dモデリングのこれらの作業を通じて、インターネットの深さ、難しさそれに楽しさを知るようになっていった。

「中国語」

image04 本来私が一番力を入れているのが中国語の勉強である。講師の先生はからYouTubeに面白い動画などがあることを教えてくれた。早速インターネットで紹介された動画見始めた。私はその中国語のドラマなどを、全文写すことにした。約2年間ひたすら中国ドラマの動画を見て、写し続けた。そして30冊のノートが溜まった。しかし、次々に新しいドラマを写しただけでは本当の会話力はつかないことに気がついて今年は8月から9月 にかけて、中国で人気になった「title」という映画の口語訳に取り組んだ。参考図書はインターネットから選び「お気に入り」に登録しておいた。
その作業は最後に日本語字幕のついたDVDをアマゾンから買った。そしてどうしても訳せない部分は字幕も参考にして完成させた。

「外国人による日本語弁論大会」

私は毎年秋に行われる「外国人による日本語弁論大会」の指導を依頼されている。 今までは中国人だったが、今年はネパール人留学生も指導を した。彼らとの連絡は中国版facebook、QQやスカイプに よって行った。特にネパールには大きな地震があり、その後故郷に学校を作った学生の弁論は秀逸だった。

終わりに

ひとつだけ心配なことがある。それは、全てをインターネットに頼り、マニュアル人間が増えるのではないかということだ。インターネットは恐れる必要はないが、 頼ってばかりいると自分自身が怠惰になる。高齢になっても障害を持っていてもインターネットを誤りなく使いこなすことによって、私達の将来を切り開く大きなツールになるであろう。私はインターネットによって人生観まで変わった。我々はインターネットを、自分の行動に生かすことが大切だと思う。そうすればより豊で心からの幸福を感じることが出来ると信じている。


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