「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」
受賞作品

②トラブル克服部門

silver優秀 「ただ歩く」ことの大切さ  熊本県 パルぞう

歩きスマホ。
もはや、立派な社会問題と言っていい。
東京消防庁の調べではスマホに係る事故は年々増加傾向。1年に40件以上も救急搬送が発生しているのだとか。
また、海外には「歩きスマホ専用レーン」があるという。事故なら歩きスマホ同士で、ということか。嘘のような本当の話だ。

しかし、ただ歩いているだけの時間というのは暇なものだ。
私も、そんなムダな時間にSNSやニュースをチェックできれば、時間を効率的に使えていると感じる。

しかし、その「ただ歩くムダな時間」こそ「脳に良い」という話を聞いた。
ウォーキングは健康に良い、とはよく聞くが、脳にも良い影響があるという。

その理由だが、「歩行中、脳はリラックス状態になる」からだそうだ。
某IT企業では「ウォーキング・ミーティング」なる歩きながらの会議が行われ、健康科学会では近年「マインドフル・ウォーキング(歩行瞑想)」というものが注目されているらしい。
上記のような小難しい言葉にはピンと来なくとも、確かに「なんとなく歩いている時にアイデアをひらめいた」という経験は確かに私にもある。

危険性は知りつつ、ただ歩いているだけでは時間がもったいない…と、歩きスマホを続ける言い訳をしていた私だが、この話を知ったことをきっかけに意識的に歩きスマホを止めるための色々な対策をとってみることにした。

1つ、スマホはポケットではなくカバンに入れること。
気が付くと、クセでポケットからスマホを取り出している。重症である。まずは物理的に隔離することから。
2つ、インターネットに触れない時間を作ること。
これまた重症なのだが、暇があるとメールやSNSをチェックしないと気分が落ち着かない。では、そのメールはすぐ返信しなければならないものなのか?
大半がそうではない。数時間後でもいいし、夜来たものなら明日の返信でも良いものがほとんどだ。
スマホチェックがこなさなければ落ち着かない習慣として、精神にこびり付いてしまっているのだろう。
なので、物理的な隔離に加え、スマホ・ネットから精神が離れる時間を作ることを心掛けた。
最後に、「歩く楽しみ」を見つけること。
風景を楽しむ、思想に耽る、季節を感じる…散歩の楽しみ方は、それこそスマホのアプリ並に無数にある。脳をリラックスさせつつ、「ただ歩く時間」を楽しむようにしている。

事故により身体を傷付けるだけでなく、脳まで傷つける歩きスマホ…
と言うと大げさになってしまうが、スマホを休むことなく使い続け発熱してしまった経験は誰にでもあるであろう。脳だって、歩行中のリラックスタイムにまでスマホの情報を処理し続けたらオーバーヒートしてしまうかも。
カバンの中で通知音が鳴った気がするが、まぁいいじゃないか。クールタイムは必要だ。脳にもスマホにも。

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