「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」
受賞作品

②トラブル克服部門

silver優秀 あせるな!だれかに相談しよう  東京都 DAIMARU11

私が学校から帰ると、そこにはいつもと様子が違い、慌てふためいて周りが見えなくなっている祖母の姿があった。「どうしたの?」と私が聞くと、祖母は、「インターネットを閲覧していたら、間違えて広告欄をクリックしてしまった、そしたら怪しいサイトに移動して、勝手にアダルトサイトの会員登録されてしまった。」とのことだった。

私は、高校の情報系の授業で得た、インターネットの危険性についての知識が少しあった。だから、この話を聞いた時、「あ!ワンクリック詐欺だ。」と思った。そのことをいち早く祖母に伝えたのだが、まだ、未成年で子供だと思っている私の話になど、ひとつも耳を傾けようとなどしない。それでも事態は刻一刻と進む。祖母によると、このままでは、毎日お金をとられてしまうので、解約しなければいけないということだった。なので、サイトに書かれていた電話番号にかけてみる。そこで告げられたことは、解約するにはお金がかかるので、コンビニで払うように、という内容であった。しかも、その金額は36万円ととても高額だった。年金暮らしの祖母にとってそのような大金を払うことは容易ではなかった。そして、サイトの管理者からはひっきりなしに、支払いの催促の電話がかかってくる。あまりにもしつこいので、祖母はとうとうコンビニへ払い込みに行く決断をしてしまった。しかし、私もめげずに玄関で靴を履く祖母の後ろで最後まで必死にやめるように説得した。

その時、私の頭の中に一つの案を思いついた。「父の言うことなら聞き耳をもってくれるかも。」私は、慌てて 父に電話をかけ、事情を話した。すると父も私と同感で明らかに詐欺だと、祖母に電話を取り次ぎ、ようやくそのことを理解し、我に返ったように気持ちが落ち着いたようであった。そのあとは、父が直接サイトの管理者と話を付けてくれた。夜、父が帰宅して、「相手に何と言ったの?」と私が尋ねると、「警察に通報しますよ。」と強気に言ったとのことだった。

詐欺は、いつ何時に自分の身に起こるのか、予想はつかない。この経験を通して、私の家では、常日頃から家庭内で詐欺についての知識をみんなと共有し、被害を未然に防げるように様々な努力をしている。そして、もしもの時は、ひとりでなんとかしようと思わずに、必ず誰か身近な人に相談することが大切だと思った。このような考えが、皆さんにも浸透していくと嬉しい。

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