2章 セキュリティについて

インターネットには「光」と「影」があります。この「影」の影響からできる限り身を守るために、セキュリティという考え方があります。ネットワークにつながっていることで、悪い人が外から侵入してシステムを破壊したり、データを盗んだり、といった出来事が起こるのです(例:クラッカーによる攻撃)。これらのことから身を守るために、コンピュータをインターネットにつなげている限り、セキュリティには十分に注意してください。

ここでは、生徒が気をつけるべきセキュリティについてまとめてみました。インターネットでは、「子供のやることだから」という言い訳は通用しません。子供のユーザーIDとパスワード から、悪い人に侵入されてしまう可能性も十分にあるのです。


2.1 パスワードについて

学校や家庭で使うときには、基本的に、大人がパスワードを管理するようにしてください。また、定期的に、パスワードは変更が必要です。これらのパスワードには、本人の名前や誕生日といった本人の情報から推測しやすいものや、非常に簡単なもの、意味のある単語を使ったものなどは使わないようにしましょう。悪い人はこういったパスワードを破るための辞書を使うので、意味のある単語だと、パスワードを破られてしまう可能性が高いのです。

パスワードは、銀行のキャッシュカードでの暗証番号に相当するものです。ですから、このパスワードを他人に知られてはいけないこと、自分で管理しなければならないことを、十分子供にわからせた上で、子供にパスワードを与えるようにしてください。

また、友だちのパスワードを盗んで使用したり、悪気がなくても友だちのIDを使うような子供がいた場合には、それがいけないことであることをきちんとわからせるようにしてください。


2.2 ユーザーIDについて

ユーザーIDは、必ず、1人1IDとなるようにしてください。クラスで1つ、家族で1つのIDを使用しているところもあるでしょう。しかし、これでは、セキュリティ上問題がある上に、インターネット上にいる他の人が混乱を起こす原因にもなります。

ユーザーIDは、インターネットでの名前に相当するものです。各自に自覚をもたせるためにも、ユーザーIDは、使う人の分だけ用意するようにしてください。そして、友だちのIDを使ったりすることのないよう、十分に注意して、指導してください。


2.3 プライバシーの守り方

インターネットのページの中には、アンケートやら懸賞への応募やらで、住所や電話番号を記入させるページがあります。これらのページの中には、ダイレクトメールなどの名簿を作るための情報を集めるためのページや、情報を悪用するためのページもあります。したがって、子供たちが、こういったページに気軽に個人情報を書き込んでしまわないように、十分注意して、指導する必要があります。

また、電子メール等で住所や電話番号を聞いてくる人もいるかもしれませんが、基本的には、そういった個人情報は流さないように指導してください。


2.4 コンピュータウィルスについて

コンピュータウィルスは、以前は、感染しているパソコンから、フロッピーディスクなどを経由して感染することが多かったのですが、最近では、ネットワークを経由した感染が主流になっています。ネットワークを経由した場合、ダウンロードしたプログラムに含まれていたり、添付ファイルの中に含まれていたり、添付ファイルがウィルスプログラムそのものだったりします。したがって、ダウンロードしたデータや、メールの添付ファイルには注意が必要です。差出人に心当たりのないメールや添付ファイルがあったら、それはすぐに捨ててしまうようにしましょう。また、ウィルスに感染したことに気がつかず、誰かにメールを送ったりすると、その送った相手までが、ウィルスに感染してしまうかもしれません。ウィルスに感染したままにしておくと、自分が加害者となる可能性もあるわけです。子供に指導をするときにも、自分が困るだけではなく、多くの人の迷惑になる可能性があることを強調してください。

また、パソコンには必ずワクチンプログラムを導入してください。ウィルスは日々進化するので、最新の情報を入手し、こまめにワクチンプログラムの更新を行うようにしてください。


2.5 その他のセキュリティについて

コンピュータやインターネットを使う時には、セキュリティに十分気を付けなければなりません。上に説明したこと以外にも、各学校や家庭で、それぞれセキュリティに気をつけるようにしてください。例えば、「コンピュータ室に入るときには、かならず、担当の先生の許可をとらなければならない」「コンピュータ室は、決められた時間以外は鍵をかける」など、各学校の状況によっていろいろ考えられると思います。そして、その規則を子供たちがきちんと守るように指導しましょう。

また、インターネット上には、セキュリティや管理の関係上、受け取れるメールの数や大きさを制限しているサーバーもあります。子供が必要以上に大きなサイズのメールを送ったり、一度に大量のメールを送ったりすることのないよう、注意してください。また、友だちのパスワードを盗んで勝手に友だちのIDでインターネットを使ったり、友だちの名前を使ってメールを出したりすることは、インターネットではやってはいけないことであることも、十分に指導するようにしてください。


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