6章 ワールド・ワイド・ウェブ

ワールド・ワイド・ウェブ(World Wide Web、WWW)は、インターネットで一番人気のあるサービスの1つです。キーワードを用いて検索を行ったり、マウスでクリックして、いろいろなページを検索することができます。このように、子供の主体的な情報収集活動にとても有効な反面、危険もいっぱい潜んでいるのがWWWです。WWWのページには、明らかに子供に有害なものや、アンケート形式で個人情報を集めようとするもの、中には有料のものもあります。大人が目を離せば、子供は、いとも簡単にこのようなページにアクセスしてしまうでしょう。子供が有害な情報にアクセスしないように、十分に気を配ってあげましょう。必要ならば、フィルタリングソフトを使うのもいいでしょう。

また、WWWのページにのっている情報は必ずしも正しい物とは限りません。誤った情報や作者の勘違い、古い情報がそのままになっているものなどがあり、自分自身でその情報の正誤を判断しなければなりません。さらに、WWWはあまりにもたくさんのページがあるので、検索になれないうちには、自分がほしい情報を探し出すこともできないでしょう。誤った情報や古い情報の見分け方、得た情報の確認の取り方や、検索エンジンの使い方などは、子供のレベルにあわせて指導してあげてください。

子供がWWWのページを公開するときには、著作権の侵害がないか、個人情報の保護はされているか、必要以上のプライバシー情報を公開していないか、そして、見てくれる人を混乱させるような内容や友だちの悪口が書かれていないか、といったことを確認してあげてください。WWWのページを公開するということは、全世界に向けて情報を公開することになります。「子供のやったことだから」といういいわけは通用しません。最初からWWWで全世界向けに公開するより、最初は、教室内、学校内だけで公開するなど、各学校の状況にあわせて、指導してください。

【一般用 6章 ホームページ】


6.1 内容の真偽

WWWは、誰もが情報を発信できるところで、それが魅力の1つですが、そのかわり、その情報の真偽を判断するのは自分自身となります。子供がWWWのページの情報を鵜呑みしないように、十分に注意してあげてください。
【一般用 6.1 内容の信頼性】


6.2 情報の検索

インターネットの検索方法として、Yahoo!やgooなどの検索エンジンを使ったものがあります。ただし、Yahoo!にしても、gooにしても、一長一短の所があり、確実に必要な情報を検索するのは、非常に難しいことです。また、自分の欲しい情報が必ず存在している、という保証はどこにもありません。

子供に調べ物学習をさせる時、あくまでもインターネットでの検索は、情報を検索する方法の1つにすぎないことを意識させてください。インターネットでの情報の検索は、図書館で本を調べたり、専門家に話を聞いたりするのと同じ、1つの方法にすぎないのです。

ただし、その「方法」の使い方は教えなければなりません。子供の成長レベルにあわせて、インターネットでの検索方法を適切に指導するようにしてください。


6.3 有害なページに注意

WWWのページの中には、アダルトサイトや暴力、薬物についてなど、子供に有害なものも、たくさんあります。これらにいとも簡単にアクセスできてしまうのも、インターネットの「影」の部分といってもよいでしょう。常に子供の活動には目を配り、子供を有害な情報から守ってあげてください。

フィルタリングソフトを導入したり、アクセスできるサイトを限定したりすることも必要でしょう。まだまだ、子供が自由に活動するには、WWWは危ない場所なのです。それを十分に意識して指導してください。

また、もし、子供が有害なページをみていた場合、そのページがなぜ「有害」なのかを説明してあげてください。自分で「有害」なページを判断する力を養うために、ときには、大人主導で「有害なページ」にアクセスしてみることも必要です。
【一般用 6.3 有害なホームページ】


6.4 情報の発信には責任を持つ

子供がWWWのページを作った場合には、公開前に必ず確認してあげるようにしましょう。WWWは簡単に情報を公開できるけれども、そのかわり、情報の発信には発信者に責任がかかることをよく理解させてください。

また、ページの公開にあたっては、著作権の侵害や個人情報の保護、プライバシー保護に十分注意してください。
【一般用 6.5 ホームページ閲覧における法律上の注意】


6.5 更新日時の掲載

WWWのページを公開しているときには、作成した日や更新した日、そのときに更新した情報などがわかるようにしたほうがよいでしょう。逆に、ページを見るときにも、更新日時などを確認して、あまりにも古い情報の場合、それよりも新しい情報がないかどうかを探すように指導してください。
【一般用 6.6 作成したホームページの内容に責任を持つ】


6.6 連絡先について

WWWのページを公開している限り、ある程度、そのページの作者がわかるような情報を載せた方がみる人に対しても親切です。また、公開している限り、ページを見たひとからの反応が欲しくなるでしょう。しかし、住所や電話番号、学校名などをむやみやたらに載せると悪用される場合があります。連絡先としては、電子メールアドレスを記載するのがよいでしょう。
【一般用 6.7 作成者の連絡先】


6.7 誹謗・中傷をしないこと

子供がページを作成するときに、友だちや他の人の悪口などを書いていないかを確認してください。悪口を書かれた子供は傷つくかもしれません。ページを公開してしまうと、その悪口の内容を誰がみるのかわからないのです。そのようなページを作成している子供がいたら、それがどういう影響を及ぼすのかを説明して、今後は書かないように指導してください。

また、もし、子供以外のページに子供の悪口が書かれているのを見つけたら、すぐにメールなどの手段で抗議をするようにしてください。
【一般用 6.10 誹謗・中傷しない】


6.8 表示の確認

インターネットには、たくさんの種類のコンピュータ、OS、ブラウザなどがあります。WWWのページは、どのようなコンピュータ、OS、ソフトを使っても、内容が伝わるように、という考え方のもとで発展してきたものです。ですから、紙に書いたもののように、必ずどの人にも同じように見えるとは限りません。できる限り、汎用性を重視した、シンプルな作りを心がけるように指導してください。

また、公開前には、ブラウザによって極端に表示が狂うページがないかどうかを確認してください。
【一般用 6.14 ホームページの表示】


6.9 リンクについて

他のページにリンクを貼るときには、それが誰のページかがわかるようにした方がよいでしょう。自分のページの一部のような扱いをしないように、十分に注意してください。

リンクの貼り方については、各ページに指定がある場合もあります。リンクフリーとなっている場合には、リンクを貼るのは自由ですが、できれば、事後に1通、メールを出しておくとよいでしょう。何も書かれていない場合や、リンクを貼るときには連絡をください、と書かれている場合には、リンクを貼る前に、リンクを貼りたい(相手の)ページ、自分のページのURL、リンクの目的、公開は学校内かそれ以外か、などを記述して、リンクの許可を得るようにしてください。【本ルールとマナーのリンク・転載・引用について

また、子供がリンクを貼りたい先の内容が、子供がリンクを貼るのにふさわしいページかどうかを確認してあげてください。
【一般用 6.16 リンクの取り扱い】



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