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電話料金請求

トラブル内容

 使った覚えのない情報料として約6万円の請求を受けた、支払わなければいけないものか?


具体的な相談・通報内容

 18歳の息子が、インターネットに接続中、意図しないのにダイヤルQ2につながってしまったらしく、情報料の回収代行の電話会社から約26万円もの高額な請求を受けている。息子は、タレントの情報ページを見たことは認めているが、有料アダルトページなどは見ていないという。ダイヤルQ2を使った覚えがないし、たとえ使っているとしても意図して使ったものではないので支払いたくない、と電話局に申し出たが、「使ってもいない請求なら別だが、家族が使ったことを認めているのだから支払ってほしい」と言われた。

 どうしてこのようなことが起きたのだろうか。支払いはしなければならないか。今後防ぐ方法も教えてほしい。(40歳代 男性)


対策事例

・電話会社からの情報(資料)収集と確認

 国民生活センターは、電話会社から取り寄せるよう相談者に依頼して、6月11日〜6月30日の通話料金明細を調べた。
 それによると、ダイヤルQ2通信料が約3万9千円分、ダイヤルQ2情報料が約21万8千円分、それ以外に通常の通話料がそれぞれ請求されていた。また、相談者が契約しているプロバイダーのアクセスポイントへは1度もつながっておらず、インターネット接続はすべてダイヤルQ2につながっており、しかもそのダイヤルQ2電話番号は1つ(1事業者)であった。
 そのダイヤルQ2業者の事業内容を電話会社に問い合わせたところ、「番組の提供」ではなく、「プロバイダー(インターネット接続サービス)」であることがわかった。

・システムの解明

 消費者が意図しないのに、ダウンロードされたソフトウエアによって特定のダイヤルQ2番号に接続されてしまう事例について、相談者も地元電話局も知らないようであった。本事例を理解するためには、次のような仕組みを把握しておく必要がある。

【仕組み】
当該事例には、次のような役割を持った業者、もしくは人が介在している。
A:インターネットを利用したダイヤルQ2業者(電話会社とは、『ダイヤルQ2方式のプロバイダー』として契約している)
B:ホームページ開設者(今回は、ある女性タレントのページだったと思われる)
C:インターネット上で、AのダイヤルQ2番号につながるよう消費者のパソコンの接続情報を書き換えるソフトウエア(以下、自動接続ソフト)を配っている業者(人)

以下の順序によりトラブルが起こる。

(1)消費者は、自分が契約したプロバイダー(以下、元々のプロバイダー)を通してインターネットに入っている。このプロバイダーは、課金システムとしてダイヤルQ2は使っていない。

(2)ホームページ開設者Bが、消費者の興味をひくようなコンテンツ(多くはアダルト物だが、今回のようなタレント情報等もある)を見せることによって消費者を引き寄せる。

(3)消費者が、次のページが見たくて(あるいは、画像がダウンロードできると思って、何だかわからないがボタンがあったので、など理由はさまざま)、画面上のボタンをクリックすると、Cが設置した自動接続ソフトが消費者のパソコンにダウンロードされ、消費者のパソコンのダイヤル接続情報を書き換えてしまう。

(4)インターネットに接続する際に、本来は消費者が契約した元々のプロバイダーを経由するが、自動接続ソフトによってダイヤル接続情報を書き換えられた消費者のパソコンは、元々のプロバイダーを経由せず、Aにつながってしまう。Aは、課金システムにはダイヤルQ2を使っているがプロバイダーなので、消費者は、元々のプロバイダーを経由している時と同じようにインターネットに入れ、ダイヤルQ2を経由していることに気付かない。

(5)インターネットに接続する際のダイヤル接続の情報を書き換えられたのであるから、パソコンの電源を切った後もその情報はそのままで、次回インターネットに接続する時にもダイヤルQ2を経由してしまい、課金されてしまう。

・電話会社との交渉

 国民生活センターは、電話会社の本社とは、このような詐欺的手法によりダイヤルQ2に接続させる業者についての対策をかねてから協議しており、このようなケースでは、「電話会社は代金回収代行を行わない」、「消費者は情報料の支払いを拒否するが、電話会社は消費者の個人情報等をダイヤルQ2業者に伝えない」との内容で合意していた。
そこで、これに基づいた対応を地元電話局がとるよう本社に求めた。
その結果、地元電話局と相談者は、

(1)相談者は通話料金を支払う。

(2)電話会社はダイヤルQ2の情報料請求を取りやめる。

(3)電話会社は相談者の個人情報を業者に教えない。

(4)以後、相談者の電話回線はダイヤルQ2にはつながらないように電話会社が設定する。という内容で合意した。

システムが解明されてからは、非常に迅速な対応がなされ、国民生活センターと電話会社が話し合った当日に解決した。

・その他の情報提供

 相談者に、パソコンの設定を元に戻すやり方と、今後、設定が書き換わらないような監視の仕方を情報提供した。

・問題点

(1)自動接続ソフト配布者Cのソフトは、ホームページ開設者Bのページに置いてあり、そのソフトによって収益を上げるのはダイヤル2Q業者であるAであるので、この三者は同一もしくは同一グループであることが想像できる。
この三者のうち、電話会社と契約があるのはAだけであり、A以外は所在を突き止めることが事実上不可能である。そのAに対して、BやCとの関係を追及したとしてもAがそれを認めるとは考えられない。
つまり、今回のトラブルの責任の所在は明らかにできず、問題の根本解決が不可能である。問題が起きてから対処するしかない。インターネットの持つ匿名性を悪用した詐欺的な手口である。

(2)Aなど本来の交渉相手が姿を見せないため、トラブルの当事者とはいえない電話会社と交渉せざるを得ない。

(3)電話料金トラブルが起きた時に消費者が真っ先に接触する各地の電話局に、このようなトラブルへの認識が薄いことがある。被害を受けた消費者と、番組を利用し料金を意図的に支払わない悪質な消費者を混同し、どちらも料金を支払わない悪質消費者として扱う可能性がある。

(4)仕組みが複雑で、かつ、問題点を把握したりトラブルに対処するためには、コンピューターやインターネットの知識が必要とされる。知識がない消費者も多く、自分に起きたトラブルの内容を理解できない。 なお、このようなトラブルはその後も増加しているが、電話局側も問題を把握してきており、スムーズに対応されるケースが増えている。

提供:国民生活センター 2001年8月
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