迷惑メールと悪質商法、犯罪
迷惑メールには、簡単に大金が稼げる、何もしないでも収入が得られるなどのメッセージが含まれているものがあります。一般に簡単に大金が手に入るようなシステムはそれなりのリスクを負うものです。悪質商法が背後に隠れていることがあり、騙されないようにするには悪質商法の手口やリスクを知っておくことが大切です。例えば知らずにネズミ講に加担すると、法律違反となって罰せられることがあります。
【対策】:不当な請求は取り合わない
いわゆる「不当な請求メール」は、受信者にとって身に覚えの無い請求内容を送りつけるメールです。たとえば、件名には「最終和解案」や「最終通知」などと書かれ、深刻なビジネス文書の体裁をとっていて、「あなたが利用したサイトの料金が未払いだ」など、ありもしない理由で代金の支払などを請求しようとします。
身に覚えがなければ、こうしたメールについては一切取り合う必要はありません。不用意な返事や抗議は、かえって相手にメールが届いていることが分かり、また別の被害に遭う可能性もあります。警察に通報することも検討してください。
【対策】:ネズミ講には絶対に加担しない
電子メールは非常に勧誘に便利なので、多くのネズミ講に利用されていますが、ネズミ講には絶対に参加しないでください。
【対策】:マルチ商法の勧誘はメールでしない・参加にも十分注意
マルチ商法の勧誘を電子メールで行うと「特定商取引に関する法律」に違反し、懲役や罰金が課せられることがあります。
【対策】:保証金付きサイドビジネス/内職には十分気をつけて
「趣味と実益を兼ねて高収入を得ませんか」、「新しいスタイルの在宅ワークです」、「仕事の合間にできるサイドビジネスです」などの宣伝広告文句で、仕事の斡旋と引き換えに教材やパソコンなどを売りつけたり、入会金、保証金、講習会費などの名目でお金を出させ、まったく仕事を斡旋せずに連絡を絶つ業者がいます。電子メールによるこうした勧誘も後を絶ちませんので、興味があっても十分な裏付けを得てから契約しましょう。
【対策】:債務整理など弱みに付け込むビジネスには注意
「あなたの債務を整理します」などという宣伝文句のメールによって、弁護士などの存在を匂わせ、債務を低利で一本化したり、債権者との交渉を低価格で代行したりするようなサービスの案内があります。しかし、債権者との交渉も返済もせず、依頼人から振込まれたお金は着服し、依頼人の振り込みが少しでも遅れると、それを口実に弁護委任契約を一方的に解除し、辞任してしまうということがあります。民事事件は警察も介入できないため、こうしたサービスの利用には注意が必要です。
【対策】:名簿や与信情報などの個人情報操作の勧誘は危険
主に海外からのメールで、クレジットカードの支払遅れなどの履歴を抹消したり、与信枠を広げたりするなど、個人情報を操作するような案内が電子メールで届くことがあります。常識的にこうしたことは簡単にできることではありませんので、取り合わないようにしましょう。
【対策】:ベンチャービジネスへの投資詐欺に注意
海外からの電子メールによって、「有望なビジネスモデルを持つ企業家がこれから会社を設立するのでエンジェルを募集している」、「確実に株式公開するネットベンチャーへ投資機会がある」などの宣伝文句で投資家を募る電子メールが届くことがあります。こうした投資の案内については十分な下調べの後に行うことをお奨めします。
【対策】:詐欺に遭わないために
その他、薬品やアダルトビデオの販売の勧誘メールに申し込み、お金を振り込んだところ、まったく商品が届かず業者とも連絡が取れないなどの詐欺事件も報告されています。オンラインでの取引は、メールの内容だけを信じずに信頼できる相手先かどうかを確かめることが大切です。また、取引の方法を、代金引換や、代金後払いにするなどの工夫も効果があります。
詐欺ではありませんが、日本では認められていない物品を斡旋している場合もあるので注意が必要です。禁止されている薬品やビデオ、さらには麻薬の類いまで輸入代行と称しているものまであります。これらは、所持しているだけでも犯罪となることがあります。
過激な言葉や写真を使うアダルト系の広告・宣伝メールのなかには、法律に触れるような写真が使われているものがあります。こうしたメールで宣伝される商品やサービスには、合法的ではないものがあります。例えば、海外の法律に従って提供される商品やサービスでも、日本の法律では罰せられることがあります。また、国際電話を利用した情報提供サービスを行うものがあり、利用すると高額な通信料金を請求されるようなものもあります。
男女の出会い情報を紹介するメールなどにも、公序良俗や道徳に反したり、法律に反したりする内容のうたい文句がかかれているメールがあります。こうした出会いのサービスのなかには犯罪に巻き込まれたりする事例も報告されています。
原則3:いたずら、嫌がらせ、ストーカーには具体的な対策を
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【対策】:メール爆弾はプロバイダ・管理者に相談
メール爆弾は代表的ないやがらせメールの1つです。被害を受けた場合には、加入しているプロバイダのサポート窓口に相談します。また、送信元が加入しているプロバイダの管理者に相談することも有効な対抗策です。
直接送信者に抗議するのは、かえって相手をエスカレートさせる可能性があります。
【対策】:嫌がらせメール・脅迫メール・ストーカーメールは多くの人に相談
掲示板に掲載した意見やホームページの内容について、対立する考えを持つ人や、匿名の第三者から度を越した批判や嫌がらせを受けることがあります。不特定多数の目の前で行われる批判や嫌がらせに誹謗中傷が含まれていると「侮辱罪」や「名誉毀損」の罪に該当することがあります。
また、嫌がらせとして、個人情報を勝手に不特定多数の目に触れるようにメーリングリストに公表したり掲示板に掲載することは「プライバシー侵害」として不法行為となります。
他に、たとえば、恋愛関係のもつれにより、3ヶ月で5,000通もの嫌がらせメールを出したストーカー事件も報告されています。メールの内容に脅しが含まれていれば、「脅迫罪」が適用される犯罪となるので、こうしたメールは、周囲の人をはじめ、プロバイダや警察に知らせて対策を相談するようにしましょう。
【対策】:メーリングリスト等への第三者登録は防御不能、すばやい対処を
いたずらや嫌がらせを目的として、特定のメーリングリストや掲示板に、自分の名前やメールアドレスではなく、他人の名前やメールアドレスを登録したり発言したりすることによる被害が報告されています。これは、嫌がらせメールに相当する行為ですから、メーリングリストの主催者に直ちに事情を話し、メールの配送を停止してもらいます。
原則4:迷惑メール以上の被害が生じたらプロバイダ、消費者センターや警察へ相談
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悪質商法の勧誘メールや、いやがらせ、ストーカー、脅迫などの被害に遭った場合には次のような対策が考えられます。
【対策】:メールの送り主自身には抗議しない
かえって相手の嫌がらせがエスカレートする危険があります。
【対策】:プロバイダに相談する
嫌がらせなどが書き込まれた掲示板の管理者に対策を求めたり、自分が加入しているプロバイダに相談したりしてみます。プロバイダによっては、メール爆弾などをサーバーから削除してくれる場合もあります。また、相手の加入するプロバイダの管理者に連絡するのも有効です。嫌がらせメールについて相談・連絡するときには、そのメールを証拠として送付しましょう。その場合には、メールのヘッダ情報も忘れずに添付します。
【対策】:警察への通報、情報提供
電子メールの商業広告をきっかけとして詐欺にあったり、ねずみ講勧誘のメールを受信したり、あるいはメールで嫌がらせを受けている場合には、警察に通報します。その場合、受信した電子メールなどの通信記録を証拠として提出しましょう。
受信メールは転送するだけでなく、印刷したり、フロッピーに保存したりするなどして手許でも保管しましょう。また、脅迫などで生命財産の具体的な危険に直面した場合には、110番通報しましょう。
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