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2016年3月25日
 

インターネットを利用する皆さまの安心安全な利用に役立つ体験談や提案を募集し、応募された手記の中から優秀作品を決定いたしました。

平成27年7月~11月の期間に応募いただきました132作品より、第一次審査にて49作品を選び、第二次審査にて17作品にしぼりました。選考基準は3項目あり、「実体験や提案が具体的にわかりやすく述べられているか」「人間関係や生活が豊かになったか」「参考にしたいか」について評価を行い、それらに基づいて総合的に選考しました。

 審査結果  *各作品のタイトルをクリックすると作品を見ることができます

 
 
  ① 使いこなし部門 (最優秀賞1作品 優秀賞7作品) kazoku02
 ② トラブル克服部門(最優秀賞1作品 優秀賞5作品)
 ③ 親子のルール作り部門(最優秀賞1作品 優秀賞1作品)
 ④ 青少年のインターネット利用部門(最優秀賞1作品)
 


  ①使いこなし部門  最優秀賞1作品  優秀賞7作品
タイトル お名前 都道府県
性別/年齢
選評
最優秀
gold
きっかけ 緑亀 神奈川県
女性/32歳
内向的で人と話すのが苦手な10歳離れた妹のために、著者がインターネットの力を借りてみる。アバターという自分の分身を使ってネット上で交流ができるSNSで、妹のアバターを作成してあげたところ、妹はすぐに夢中になった。そして、ネット上でなら冗談を言えるくらい饒舌になり友達が出来、ついには直接人と会う「オフ会」に参加するまでに。
その後、妹は自分で接客業という驚きの仕事に就くまでになり、今でも働き続けている。インターネットの世界から実社会へもつないでいったミラクルチェンジ。妹思いの姉の努力が実ったほのぼのとさせる傑作である。
優秀
silver
壮年学習と
インターネット
源ちゃん 神奈川県
男性/64歳
50年程前、インターネットがなかった青少年時代とインターネットがある現在の時代を比較して感慨にふける。昔は身体を使って集めた情報を駆使して行う伝書鳩の飼育・レースをして仲間と楽しんでいたが、今はインターネットを使って海外などから優秀な鳩を個人輸入することに活用する仲間もいる。著者自身は、重い病気にかかった妻のためにインターネットで病気の体験談や詳しい病状を調べたり、地域の郷土史を調べたりして、いろいろな発見をする。インターネットは使い手しだいで楽しめるもの、と人生を謳歌したいと綴る。前向きな考え方がとても参考になる。
優秀
silver
We are the world 夢眠
(ムーミン)
大分県
男性/64歳
著者は1種1級の障害者でありながら、無謀な一人旅をする。韓国行きの船でたまたま隣に座った韓国の女性と知り合ったことがきっかけに、どんどんと行動が膨らむ。彼女が持っていたスマートフォンの翻訳機能のおかげでコミュニケーションがはじまり、会話ができるようになった。日本へ帰国後は、写真アルバムを作ろうと奮闘する。もともとパソコンにストレスがあったが、彼女のためにアルバムを作らなければと思えば頑張れた。また、動画で中国語を勉強するなど、障害者・高齢者がインターネットとパソコンを貴重な存在として活用している幸福感が伝わってくる。
優秀
silver
震災時のSNS 佐藤クウキ 千葉県
男性/20歳
著者が15歳の時、仙台市で東日本大震災にあった。多くの人がテレビを見ることができなかったので、情報が錯綜し大混乱に。このような非常事態に活躍したのが携帯電話とSNS。ネットの書き込みを見た多くの若いボランティアが人手不足の現場にすぐに集まり、テント設営等に協力してくれた。逆に、混雑時にはメールがつながらないが、今度は公衆電話が活躍する。震災がきっかけでLINEの既読チェック機能が付き、生存が確認できる。今となっては、その既読機能に悩まされる人も多いと聞くが、災害時には役に立つ機能が盛りだくさんだ。実体験からにじみ出てきたSNSのプラスの活用方法である。
優秀
silver
手のひらの上の
ふるさと
Y junior 兵庫県
女性/39歳
家事と子育てと仕事におわれる毎日を過ごす著者が、突然、25年ぶりに元中学校の同級生とSNSで交流がはじまった。子どもを寝かしつけた後にひと息つく夜、旧友たちの会話に頬がゆるんだり、投稿写真に腹を抱えたりと。中学生時代は耳の不自由な同級生と筆記で会話をすることがもどかしかったのに、今ではみなで会話を共有できる。携帯電話を操作しながら、表情豊かに身体を動かしていて、コミュニケーションのあり方をぐるりと変えてくれた、これは救世主、革命児と呼んでもよいかもと言う。最後の一文、子どもたちへの思いを伝えているところは、母親たちはじーんと共感することだろう。
優秀
silver
インターネットで
つながる世界
バンドマン 茨城県
男性/18歳
著者は中学3年の冬からギターをはじめた。2年後、ある程度弾けるようになり始めた頃、自分の演奏を見てほしいと思いネットの動画投稿サイトに演奏動画を載せる。自分以外にも様々なギター演奏者がいて、一緒に演奏することが出来たらどれだけ楽しくて刺激的かとワクワクしていた。そこで、SNSを使い連絡をとってみて、住んでいるところはバラバラでも一緒にリアルタイムで演奏することができた。いろいろな人たちと関わることで自分の考えや価値観など人としての成長も出来ると思うまでになる。一気に目の前を広げていった著者の楽しさがずんずん伝わってくる。
優秀
silver
SNSでの情報収集 海老 茨城県
女性/20歳
(補足:2015年9月の関東・東北豪雨鬼怒川洪水の出来事のことである)
その日は体験したこともないような大雨。著者は、朝、茨城県から東京都へ向かう電車の中で地元や近隣の地域の天気のことが気になりだす。電車内でテレビを見ることができなかったので、Twitterなどで地元情報を確認する。避難指示や大雨洪水警報が出ていたものの、はじめは大丈夫だろうと思っていたが、午後には堤防決壊を知る。友人と家族の確認をLINEで取れた。夕方には、帰宅する時にどの橋が通行可能なのかをTwitterで知った。災害時にTwitterとLINEを情報源にして、不安にならずに地元の正確な状況を知ることができたことが心強い。
優秀
silver
私の家族と
インターネット
留学生 スリランカ
男性/25歳
著者は、海外から留学のため来日し、家族と離れて2年半になる。寂しいけれど、スカイプ等で家族とやりとりすることが、楽しい、嬉しい、と素直な気持ちが書かれていて、ほのぼのする手記。「インターネットがなかったら2年半のうち何回も国に帰ることになったかもしれない」と語るところは、日本から海外へ留学したり、単身赴任をしたりする皆さまにも見てもらいたい。自国へ帰国された後も、ぜひ日本とつなぎ続けてほしいと思わせる。
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  ②トラブル克服部門  最優秀賞1作品  優秀賞5作品
タイトル お名前 都道府県
性別/年齢
選評
最優秀
gold
プチネット依存克服
~デジタル断食の旅から
見えたもの~
竹内義博 滋賀県
男性/52歳
著者はパソコン教室の先生をしているため、一日の大半をパソコンやインターネットを使って仕事をしている。日常生活には支障はないものの、ネット依存の入り口「プチネット依存」なのではと感じるようになる。そこで、デジタル断食の旅をしてみた。はじめはSNSが異様に気になってしかたがなく、自分が繋がり依存になっていた事実に驚く。ただ、最後には、スマホを気にすることもなくなり、学生の頃にタイムスリップできるようになった。そして、その後もSNSの閲覧回数も減っていった。実体験から1日でも電源を入れない日をつくることのすすめに誘導する。特にネット依存気味の青少年に参考にしてほしい事例である。
優秀
silver
非現実の境界線とは 弟子の弟子 東京都
男性/21歳
著者は、中学2年の頃、夜遅くまでネットゲームをして、両親に毎日のように叱られたが、それでも学校を休んでゲームをやり続けた。ネットゲーム内でも指折りの強プレイヤーにまでなり「ネトゲ廃人」に。高校に入ってもネットゲームを続け、高校1年には留年が決まった。ふと気づく。人生の一番大事な時期の数年を無駄にしてしまったと感じがして、一気に冷めることに。なんとか高卒認定試験を取得して大学に進んだ。現在大学4年生になるが、あの時はどうしてハマってしまったのかと自問自答する。理由がわからないこともあるのがゲーム依存なのだが、それでも気づきにより克服した。ゲーム依存になっている人や、なりそうな人に見てもらいたい手記。
優秀
silver
SNSと無断転載 トーミン 東京都
女性/18歳
著者が高校生の時、趣味の裁縫や料理の写真をSNSやブログに投稿して楽しんでいた。ある時、友人から連絡がきて著者の投稿写真が無断転載されているということを知る。あたかも自分がその写真を撮ったかのように書いて投稿しているのを見つけたのだ。自分が労力をかけて作った作品を、無断転載した人が評価されているのを見て悲しくなる。その後、無断転載が騒ぎになって犯人はアカウント停止になる。写真投稿サイトが流行っていてそういった事例も問題にもなっているが、それが犯罪であるのかどうかを理解している人はまだ多くはない。ただ注意するだけではなく、複製権・公衆送信権、著作者人格権を侵害する犯罪行為となる可能性があることを呼びかけて理解を深める場が必要と提案する。被害にあって痛感したこと、写真掲載をする姿勢について述べる秀作である。
優秀
silver
依存症と
自分を見つめ直す
大切さ
常田亘 東京都
男性/15歳
著者は中学合格のお祝いに、スマートフォンを買ってもらったが、母から使い方に関するルールを課された。「夜9時まで」「食事中はしない」「テストで平均70点以上をキープ」の3つ。ところが、時間利用オーバー、成績ダウン、と母と交わしたルールの3つのうち2つを破ってしまう形で、母にスマホを取り上げられる。スマホの問題点を関係者に聞いたところ、ネット依存症に似ていることがわかった。依存症は自覚症状がなくて、自分に限ってそんなことあり得ないと思っている人が多い、と言う。きっかけは人それぞれでも、自分を見つめ直すことが大切とわかったと語る優秀な青少年。中学生・高校生に見てもらいたい手記である。
優秀
silver
実体験を元として得た
克服方法
高山 望 千葉県
女性/21歳
著者は、3つの実体験から得た克服方法を提案する。1つ目、SNSですぐには返信をしないかもしれないと、事前に友人に話すこと。返信が来るか来ないかで仲たがいをしたくないからで、文字のやりとりに誤解のないように細心の工夫をすることが大切とする。2つ目、うまい話には警戒心をもつこと。実際にメール占い詐欺にあいそうになったことで、どんな心情の時に騙されやすいのかを知った。3つ目、出会い系目的の相手には警戒心をもつこと。友人がTwitterで知り合った人と会うかどうかの場で、説得したことがある。
いずれも多くの利用者にあり得ることではあるが、心情が伝わってきて参考になる事例である。
優秀
silver
2つのトラブルに遭って
わかったこと
匿名 埼玉県
女性/21歳
著者はこれまで2回インターネットトラブルに遭っている。1つ目は、住所、名前などの個人情報をインターネットに晒されたこと。小学6年の頃にインターネットで文通相手を募集する掲示板があり、手紙を送るから住所と名前を教えてほしいと言われ、その通りにしたら晒されてしまった。2つ目は、顔写真をインターネットに無断転載されたこと。いかにも自分本人が載せているような文面でもあった。個人情報や写真が自分の意志ではないところで掲載される怖さが伝わってくる。当たり前のことだが、個人情報はむやみに載せないで、SNSの使い方には気を付けなければと実感する。著者の思いが実体験から伝わってくる事例である。
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  ③親子のルール作り部門  最優秀賞1作品  優秀賞1作品
タイトル お名前 都道府県
性別/年齢
選評
最優秀
gold
コミュニケーション クリスティーナ 千葉県
女性/18歳
著者が、中学生時代の4年前、家族とのコミュニケーションよりも携帯・スマホとのコミュニケーションが増えていた。家族が唯一集まる夕食の時間でさえも、部屋に響くのは家族の笑い声ではなく、携帯の通知アラーム音に変わってしまった。ある日、親に「携帯に依存してない?」と言われた。なぜ手放せないのか理由がわからず、親に聞いてみると「使っているときはずっとゲームをやっているよ」と、ひと言。それをきっかけに、家庭でルールを作った。決めたルールは3つと少ないが、依存がなくなり家族との会話が増えていき、人とのコミュニケーションの大切さを自覚した手記。3つのうちの1つのルール「食事時間は、自分の部屋に携帯を置く」はとても思い切ったルールで、ここまで徹底すれば、生活にメリハリがつくことだろう。付随して著者の友達も依存しなくなったのではと想像が膨らむし、誰もが真似ができそうなルールの好事例である。
優秀
silver
主人公 夢眠
(ムーミン)
大分県
男性/64歳
冒頭記述は「3人の息子達よ」ではじまる。著者の成人した3人の息子たちに向けたメッセージを、禁止事項やルール押しつけではなく、せつせつと語りかける。電車に乗って出かける時、多くの若者がスマホの画面に釘付けになって、周囲に無関心になっている。君たちも同じではないだろうか。旅行する時、食事をする時、自分自身を失ってないか心配。息子3人に提案したいことがあるが、今は信じる以外にない。ただ、1つだけ言わせてほしい。「ネットを使う時は、インターネットで知ったことでも、自分が行動することでそれを裏付けてほしい」と。親だからこその厳しい洞察力から生まれる愛情が伝わってきて微笑ましい。親子ルールを手紙風にする方法は、保護者の参考になるであろう。
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  ④青少年のインターネット利用部門 最優秀賞1作品
タイトル お名前 都道府県
性別/年齢
選評
最優秀
gold
たった1つの
大切なルール。
とにかく
明るい
五郎丸
千葉県
男性/19歳
著者は小学校6年生より携帯電話を使いはじめた。自分のありのままを相手にぶつけて、相手を尊重することを忘れて高校生まで続いていた。高校生になってもTwitterを掃きだめとして言いたい放題投稿。ある時、部活のチームメイトと喧嘩し、悪口をTwitterに投稿すると、そのチームメイトから直接「言いたいことがあるなら直接言ってくれない?」と言われ、友人を失うことに。このたった1つの過ちをきっかけに、たった1つのルールを決めた。「本当にこのメッセージを送っていいのだろうか?」「このメッセージを見た相手はどんな気持ちになるのだろうか?」と、心の中で自分に問いかけること。この1つのルールは最後の砦だと結論する。失敗しなければわからなかったことかもしれないが、自分の失敗から素敵なルールがうまれた。多くの人がなるほどと感銘することだろう。
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