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−迷惑メール対策編−
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Outbound Port25 Blockingの意義と今後の迷惑メール対策
・導入の経緯
・導入前の準備
・お客様の反応
・実施した効果
・まとめと今後との取組み/おわりに
携帯電話における迷惑メールとの戦い
逆引きの経験談
■ 2. 導入の経緯       

2.1. 迷惑メールは何故送られてくるのか

簡単に言えば、送る側と受け取る側の双方の条件が整ってしまったためです。

送信側には安価に大量にメールを送信できる光ファイバ環境があり、さらにウイルスを使ってゾンビ端末を増やせば、他人の環境までも利用して想像を絶する量のメールを送信することができます。 一方、受信側の環境もパソコンの普及のほか、メールを扱える携帯電話も普及したことで迷惑メール送信者のマーケットが拡大しています。最近では子供に携帯を持たせる、あるいは、学校の授業などの関係で子供にインターネット環境を与える家庭も増加し、若年層がワンクリック詐欺などの被害に遭う事例も耳に入ってくるようになってきました。

迷惑メール送信者の目的は利潤の追求であり、その実現手段として詐欺的な内容のメールを送信しますが、ヒット率は決して高いわけではなく、大量に送信することで母数を増やそうとしていると思われます。

2.2. 迷惑メールの問題点〜不愉快なだけではない〜

迷惑メールが大量に流通した場合の問題点としては、以下の3点が考えられます。

(1) アダルトを含む大量のメールを受け取ることで不愉快になる、大切なメールを取りこぼす。
(2) 不正なメールとは気づかず、ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺の被害に遭う。
(3) ゾンビ端末として悪用されることで機密情報が漏れる、業務に影響する、信用を失う。

迷惑メールの被害では、(1)を最初に思い浮かべる人が多いのではないかと思います。確かに不愉快であり、その他にも、メールボックスの容量オーバーを引き起こして大切なメールを受信できなくなったり、迷惑メールに埋もれて大切なメールを読みこぼしたりするケースもあります。ビジネスに使用しているメールアドレスにおいて、お客様からのメールを読みこぼしてクレームに発展したとしても、お客様は「迷惑メールが原因なら仕方ない」とは見逃してはくれないでしょうから、ビジネス環境における迷惑メールも重大な問題となります。

(2)についてはニュースなどでも取り上げられることが増えてきたので、ご存知の方も多くなってきたと思います。最近では日本でのフィッシング被害も報道されています。

《参考》
・警察庁、フィッシング被害初確認で「110番」設置
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0412/24/news042.html
・スパムはウイルス感染したPCの"軍隊"から送信される
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/12/14/5784.html
・10人に1人がスパムメールで宣伝された製品を購入
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/03/25/6986.html

(3)の被害について意識している方はまだ少ないようですが、この点も重大な問題であると考えています。昔のウイルスは愉快犯が多く、感染するとすぐに分かる傾向がありましたが、最近のウイルスはゾンビ端末を増やすため、目立たぬように感染するケースが多いようです。感染者は感染したことに気づかず、当然、自分が迷惑メール送信の踏み台にされていることに気づいてはいません。恐らくは「このパソコン、最近動きが遅いなぁ」程度の感覚で見過ごしてしまっていることが多いのではないでしょうか。

実は(3)における被害はそれだけにとどまりません。ゾンビ端末になってしまうパソコンはウイルス対策が甘いために、恐らく複数のウイルスに感染していると思われます。ウイルスにはパソコンの重要なファイルをメールに添付してばらまくものも存在します。事実、お客様サポート用のメールアドレスにも、それと思しきファイルが添付されたメール(見積書、決算情報、顧客情報などが添付されたメール)が着信することがあり、そのファイルの本当の所有者は、他人に見られていることに気づいてない可能性が非常に高いと思われます。

また、ゾンビ端末となって迷惑メールやウイルス付きメールの大量送信の踏み台になると、その受信者がISPに被害申告することで、警告、場合によっては利用停止などの処置を受けることも想定されます。もし、そのインターネットアカウントをビジネスに利用していれば、利用停止などで業務を遂行できなくなるほか、取引先からの信頼も失いかねない事態になります。

《参考》
・国内に18,000台規模の"ゾンビ"ネットワークを観測
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/01/28/6258.html

2.3. 迷惑メール対策の意義

したがって、迷惑メール対策とは、単純に不愉快な迷惑メールを見ないで済むようにするだけの対策ではなく、詐欺被害を防ぐ、情報漏洩を防ぐ、ビジネス上の信頼失墜を防ぐ、などの多面性を持っており、様々な観点からの対策が急務となっています。

また、長期的に考えると、迷惑メールが原因でメールの利用が減少したり、インターネットそのものの利用に嫌悪感を抱いたり、アダルト系の迷惑メールが原因で親が子供にインターネットの利用を制限することが増えてくると、結果としてインターネット利用者の減少につながり、インターネットマーケット全体に影響を及ぼすことも懸念されます。

そこでWAKWAKでは迷惑メール対策の一環として、平成17年3月1日より「Outbound Port25 Blocking」を導入しました。受信側の対策としては既に「正規表現に対応したメールフィルタリングサービス」を導入済みですが、「Outbound Port25 Blocking」は送信側の対策として、お客様の情報漏洩防止、意図せず迷惑メールの加害者になってしまうことの防止などを主眼として導入を決定しました。また、タイミングを合わせて、スパムキラーなどの機能を持ったMcAfeeセキュリティサービスの提供も開始しました。

 

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